七面鳥物語

12月に入り、街はすっかりクリスマスムードとなった。


おめでたい雰囲気に包まれる中、唯一、これを歓迎しないもの達がいた。


七面鳥である。








 とある森の中。


七面鳥のリーダーが仲間を集め、クリスマスをどう乗り切るかの会議を開いていた。




「やはり、一時的にこの森を離れるしかあるまい」




 リーダーがそう提案した。


毎年、この時期に自分たちを狩りに人間どもが現れる。


ところが、母親の七面鳥が異議を唱えた。




「卵を抱えて逃げることはできません。 躓いて割れてしまったらどうするの?」




 少し考えた後、リーダーはこう提案した。




「では、一日だけキジに卵を預けるのはどうたろうか?」




 キジは七面鳥と同じ仲間だが、今回のイベントには関係がない。




「分かったわ。 クリスマスを祝うのが25日だから、24日に移動を開始すればいいわね」




 日時を確認するため、一匹の七面鳥が街に向かった。








 数日後、スパイの七面鳥が戻ってきた。




「どうだった?」




「書店からカレンダーを盗んできた。 これで日付が分かるだろう」




 ……今、何日?




 終わり


 

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