鏡花水月2

▽ウサギとカメより




 とこしえの道のりカメだって休みたい




▽ラッシュ・アワーの悲哀




 駆け込み乗車五十歩百歩その五十歩は大きい




▽慇懃無礼も礼のうち




 平身低頭不服ながら謝罪する我ネクタイだけが舌を出し






与太話




 夕焼けを待つ少女がいました。その娘は秋の夕暮に必ず決まって小高い丘で空いっぱいの夕色を眺めていました。そして近くのお寺の鐘がなる頃にはどこへともなく帰って行くのです。やがて雪が降る頃、少女は白い狼となる。

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