第2話 学校へ

 緋色が惚れている女子生徒の名は黒田星子くろだせいこ。彼は星子の丸顔と夢見る表情が可愛らしいと思っている。決して豊かな胸を狙っているのではない。


 緋色は学校に憧れていた。

 学校に通いたかった。

 たくさんの友達と一緒に勉強して、遊んで、そして、恋をしたかった。


 人間の学校にロボの自分など来るべきではない。

 緋色はいつもそう思っていた。


 しかし、今日は意を決して学校に来た。

 不審者として逮捕されるかもしれないという危惧はあった。

 いざ、校庭に入ってみると、たくさんの子供たちがまとわりついてきた。


「キャー。たらこクチビルロボが来た!」

「ねえねえ。遊んでよ!」

「触っていい?」

「飴食べる?」

「肩車して頂戴!」

「鼻水ついちゃった」


 緋色は自分が大人気なのに驚く。

 ここは小学校だった。 


 緋色は情報を再検索してみる。

 間違えた。


 星子のいる学校は隣にある高校だった。

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