Riot future troops

SF

第1話

いつの時代からこの戦争が始まったのかわからない。

生まれた頃には爆撃避難で地下都市での生活を余儀なくされ

太陽光を浴びたのは成人してからだ。

 

 ハタチになると専用の戦闘服を配給され自分の身は自分で守らなければならない。

 

 今となってはどこの国か不明だが実験の失敗で細菌兵器が世界にばらまかれてしまい、その報復措置としてミサイル投下。戦火の火ぶたが切って落とされた。

 

 同盟国も疑心暗鬼な情報戦による誤報で混迷を極め

味方同士で戦闘を繰り広げた。


 核兵器、細菌兵器の使用で地上は住めない世界に。

人々は地下生活を余儀なくされる。


 科学者が自然回復装置を開発、局地的に空気、土壌を回復再び地下から地上へ植民移民。

 

 戦争は今だ続き小規模な勢力での戦闘が日夜ぽつぽつと起こっていた。

完全には回復していない地上は酸性雨などの異常気象、

巨大ミュータントが徘徊しているため成人にならないと出れない。


  

 第3区画に住むレキは今日、ハタチを迎えた。

 


 都市部から辺境区へ。


絶え間ない戦闘、多くの仲間も次々に消えた。。。

失った仲間の写真が痛い。。

ひとりぼっちだ。  


所属していた部隊は敵の圧倒的な戦力に

敗走を余儀なくされ散り散りに。

セルファーと呼ばれる無人高速戦闘マシーンによって戦局は激変した。


我が軍もそれに対抗するべく新しい兵器を極秘で開発。

完成すれば一気に形勢を逆転できるはずだ。

対セルファー戦闘服

Physical Strength Wepon 通称PSWが開発され

僕は、そのテストパイロットに選ばれた。


まだ新兵なのに最新の装備を与えられるなんてついてる。

しかし、そんな僕のはやる気持ちは上官の一言でかき消された。

「お前等は新兵器のモルモットだ。」


セルファーの機動力はすさまじく。

なすすべもなく所属する部隊は壊滅状態に追い込まれた。。


あっという間だ。


上官機が目前でとどめの一撃を受けるのをレーザーであがる砂塵の中に見た。


半壊したスーツから命からがら抜け出す。

なんとか本体に合流しなければ。。。。。

果たして僕は生きて帰れるのだろうか。



遅刻だ。。。

ようやく本隊から連絡が入り、至急、新鋭部隊と合流セヨとのこと。

また新しい兵器を開発したらしい。

またモルモットか。。。

一抹の不安を抱えながらランデヴーポイントへ向かう。支給された白兵戦用コンタクトの効果がそろそろ切れてきてる。。白眼。

どこまでも続く瓦礫と砂漠。


いくつもあった都市は度重なる激戦で壊滅。

いた。 5分の遅刻だ。。

最新鋭となると精鋭揃いなんだろうな。。。

「レキ二等兵、本日より第7小隊に配属になりました。」随分、細いスーツだな。第五世代兵士はもしかして子供か。。


「コマンダーから聞いてる。君を歓迎する。私がキャプテンのセヴィニー、向こうがスクワイアそしてルカだ。5分27秒の遅刻だな。」


。。。しっかりチェックされてる。。。


「我々を残して他は、全滅した.」

傍らに破壊されたトレーラーとソルジャーの姿が。

「これから攻撃をしかけてきた敵を迎撃する。」


。。。。。。。。!!


瞬時にして僚機がやられる。


セルファーだ!


最新鋭の殺人機械が低い駆動音とともに眼前にせまる。

チクショー

即座にレーザーガンをかまえる。

ひさが震えている。

一瞬にして敵は砂塵の彼方へ。

何処だ。。。何処にいる。。。

必死に銃のスコープを覗く。


走れ!


どこからストーキングされているかわからない。

キラーマシーンに。

口から心臓が飛出そうな勢いで息もたえだえに走りながら位置を確認。


次の攻撃は。。。。。。。

数は2機か。


接近戦に持ち込めばなんとかやれる。

赤外線カメラの赤い光線をなびかせながら

鋼鉄の殺人機械の強襲がくる。


レーザーからマシンガンに銃を切り換えたセルファーの弾丸がスクワイアに迫る。


「三方から一気に攻めよう。」

一撃でカタをつけてやる。


セヴィニーが、なんとかセルファーの死角である懐に潜り込んだ。

渾身のカッターパンチをおみまいして粉砕。

やった!

残るはあと一機。


基地にデータが転送される前に破壊しなければならない。

援軍を呼ばれたらアウトだ。

放電とともに機体が青白く光る。

僕もセヴィニーもスクワイアも、ありったけのレーザーを滝のように放った。


セルファーの虎の子。

メガランチャーの発射体制にはいる。

ボディーじゅうのハッチが全開、おびただしい数のミサイルが現れる。

あんなものをお見舞いされたらお陀仏だ。


極度の緊張でふるえる腕を感じながら

急所の胸部に照準を合わせる。

レーザーは見事、命中。

原子炉を撃ち抜き爆発を誘発。


やった!

残骸を眺めながら無人であることをあらためて認識する。

いつの間にか辺りは夕暮れをむかえていた。


野営の準備をしなければ。

旧市街に辿り着き廃虚に身を隠す。


かりそめの休息。

ぼんやりと薪の火を見つめる。

携帯食の干し肉を串刺しにして たき火であぶる。

こんがりとしたにおいに腹が音をたてて反応する。

緊迫した状況の中でも人間の欲求はかわりない。


「もうすぐ、ほどよく焼けるね。」

「んまんまっ んまいよ。」

よく焼けた合成肉。


合成でも豪勢だ。


ここのところいまいちおいしくない豆スープばっかりだった。

おかげでお腹がザル状態で戦闘にならず。


「さあ食べなよ。よく焼けてる。」


「いや。俺達には必要ない。」


「太陽光が動力源さ。」

そう言うとボディーカバーを外して熱集積炉を見せてくれた。


軍が開発した最新兵器はロボットだった。

この戦争にはいつの間にか人間はいなくなっているのかもしれない。

僕を残して。

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