洗濯の歌

 作:北見悠平


 洗濯をしよう

 絵具汚れを落として

 まっさらになったシャツを着る


 私は井戸のお水を汲んで

 漂流してきた衣類を洗い

 物干し竿に掛けていく


 綺麗になったものたちは

 嬉しそうに笑っているけど

 浮かない顔した黒いのが一つ


 洗いざらしのその人は

 名前に昼を二つも持ってて

 呼びにくいなと私は思う


 出会いも言葉も何もかもが

 ただ偶然に生まれるものなら

 歌と一緒にあだ名をあげる


 どうぞ持ってお帰りなさい

 君の名前はニヒルくん

 まだら模様の守り手よ

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