虹の井戸

 作:北見悠平


 宇宙からのエコーで浮かんでる

 祈って回れ熱いお茶の葉

 リスペクトの欠片を捜してる

 五弦短し現せの身そら


 私の名前を教えよう

 一つは粒子で、一つは波動

 寂しいときには唱えよう

 祈るは浄土で、回るは虚空


 ソールリファレンスエンジン語って曰く

 こうした螺旋には果てがないのだと

 クロゼットガーデンコールで呪って曰く

 さしたる助言にも継ぎがあるのだと


 深い街を沈む川が見てる

 浅き夢にし軽い音の羽

 三条あまり射す影に紛う

 六間ばかり彼方のあなた


 時雨のときには降り止もう

 一人は皐月で、一人はこよみ

 永久凍土を吟じよう

 回れば久遠で、祈れば輪廻


 彷徨き回る御船虎の騒いで騙る

 檻に過去割れて声もないのだと

 蹄で駆ける祈り子らを祝って乗ろう

 虹のよく架かる井戸があるのだと

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