ホワイトブルードの詩

 作:北見悠平


 こけしが人を殺すとき

 眉間の罅が割れそうで怖くて

 鰐に喰われた右足に

 真っ白な斧、震われた仔羊


 星が降る夜に血統を

 杭を打たれたこの心臓から

 統べる道化と脈動の

 焼けつくくらい熱い踊り手


 ひよこが月へ孵るとき

 悲しいことが多すぎてつらくて

 鮫にもがれた右足が

 ウォーリーみたい、謎を身に隠した


 お酒はあまり呑めないの

 話の多い春の波影

 絵に描きながら歌いたい

 その気持ちさえ後で悔やんだ


 文言を敗れば外は暗くなり

 気付く箱には情報漏洩

 起きて神、返る言葉の強きこと

 流れた知のみ暗号解読


 ただ、実をいえば君の色にも

 さほど自信がない

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