月曜日17 ラブ&ピース
朝。おそようございます。というわけで、時刻は午前10時。ネットフリックスで海外のドラマを見る。が、いきなりセックスシーンが出てきて、うんざりして、わたしはパソコンのブラウザを閉じて、布団に潜る。仕方がないので、ツイッターやTikTokを見る。若くて綺麗でかっこいい男の子の動画をみてハァハァしながら布団の中で悶え死んだ。
男の子に愛されたくてたまらない。
といっても、別にセックスがしたいわけじゃない。いっしょにおしゃべりしたり、どーでもいい話をして、イチャイチャして一緒に過ごせるだけでいいのだ。
わたしは幼い頃からセックスという行為に嫌悪感を感じていた。わたしが初めて性的な快楽を感じたのは小学6年生の頃だった。同級生の男の子にチンチンをいたずらされて勃ってしまったのだ。それからというもの、わたしは毎日のように男の子にいたずらされることを想像しながら家のトイレでオナって、トイレに長くこもりすぎて母がドンドンとトイレの戸を叩いたりして、心臓が潰れるほどの罪悪感を感じていた。
自分はいけないことをしている。と、思っていた。
高校生になっても、相変わらずわたしはセックスという行為に強い嫌悪を感じていた。たとえそれが漫画やドラマのフィクションであっても、そういうシーンが出てくると目を逸らした。だから、オナニーするときもセックス(異性にしろ同性にしろ)を想像することができなかった。
その頃のわたしは自分が首を絞められて殺される事を想像しながらオナニーをしていた。腕力のありそうな背の高い若い男性をイメージすることが多かった。というのも、華奢な女性では、その状況に対するリアリティを感じられなかったからだ。
変態だな。と、自分でも思う。なんでこんな気色悪い自分の性癖をここで晒しているのかというと、わたしは自分について本当のことを知って欲しいからなのだ。なにも自分のちんこを開陳して、読み手が眉をひそめるのを想像して喜んでいるわけではない。
例えば自分のパソコンがハッキングされてファイルに保存されているやましい動画や画像が世間にばら撒かれたあとで「あの人はあんなに清く正しいことを言ってたくせに、裏ではこういう卑猥なことを考えるド変態だったんだ」などと思われたくないのだ。
わたしは自分という人間を良きにしろ悪しきにしろ、勝手に勘違いされたくないのだ。わたしは最初から変態なのだ。だから、こうして先手を打って自分の醜い部分を晒している。自分のことを勝手に規定された上で、実はあの人はこうだった。なんて絶対にいわれたくない!
頭のいい政治家や官僚のみなさんが、本当は男色だったり、スカトロマニアだったりするのを隠して、選挙活動や公務において清く正しい姿を演じていたとしよう。しかし、後になってそういう性癖、本性が世間にバレた途端、後ろ指を指されて引きずり降ろされる。
みんな建前では差別や偏見をなくそうなどと言っているが。気色の悪い趣味が発覚した途端に、危険視され、偏見の目で見られて差別され、社会から排除される。
この世界は嘘にまみれている。とっとと滅びちまえ。と、思う。っていうか、お前らみんな嘘つくのやめて自分の汚い部分を晒して正直になれよ。ツイッターを見ても、どいつもこいつも、『平和な世界が好き』とか綺麗事を書いてるけれど、本当はだれも平和な世界など望んでいないのだ。みんな、『自分にとって不快のない世界』を求めているだけで、他人の世界のことなど、どうでもよいと思っているのだ。
わたしはツイッターで不幸や悪口を収集するのが大好きだ。人の悪口を書いてる人のアカウントを見ると、わたしの心が満たされる。強制された平和よりも、自由な地獄の方がよっぽどマシだと思う。
夜。1:47。ツイッターを閉じる。
iPhoneの週間レポートを見ると、『画面を見ている時間は先週から9%減りました』と表示されてた。
《1日平均12時間31分》
はは。なにが自由だよ。ちっとも自由じゃないな。と、思った。
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