第3話 学校にて

「おはよう」


「おはよう、朝からラブラブだな!」


「そんなんじゃねーよ」


「そうなのラブラなの!」


「と彼女さんは言ってるけど?」


「まじかぁ」


知らない間に春が来てました

にしても今の会話に自然に参加してるとゆうことは、女神の言ってることはやはり事実らしい


そのまま席に向かい荷物を降ろし

その隣の席に彼女が荷物を降ろす


少し考え込み顔を近づけ周りの人に聞こえないよう耳打ちする


「葵さんの席はどこに行ったんだ?」


「あそこだよ」


そう言い窓側の方に指を指す


「なるほどな」


理解し席に座る

そして何やかんやあって帰宅し週末を迎えた


「やべえ!どの服きてこう」


タンスから服を出して体に着せてはああでも無いこうでも無いと決められない


アニメとかでこのシーンよく女キャラやるけどまさか俺がやることになるとは

需要ないやろ


時計を見ると時刻は8時30分を指す

もう時間がない


「恵!どの服がいいと思う?」


ここは女の子?から助言を頂きたい


「自然なのが一番だよ」


「確かに、下手にカッコつけるよりはいつも通りが一番か」


一番無難そうなのを手に取る


パジャマを脱ごうとしたところで視線を感じふと手を止める


「こっちみんな!部屋から出ろ」


「はいはい〜」


悪びれもせず元気に部屋から出て行く


「まったくもー」


急いで着替えて家を出る


「行ってきまーす!」


「はいはい、行ってらしゃい」


ちなみに今日は恵は留守番だ

太陽が温かく、横から心地よい風が吹き抜け緊張が少しほぐれる

少しウキウキしながら駅へと走った


「人やべ〜」


休日の駅はどこもかしこも人で人でいっぱいである、カップル、友達、会社員など様々だ

普段家から出ないからこうゆう事が分からない


その人混みの中から特別目立ってる人が居た


服全体的に落ち着いた色にまとめられていて

それに釣り合う彼女のすらっと伸びた背に

顔立ち

手鏡に顔を覗かせ軽く髪を整えている

本人は気づいていないようだがすれ違う

人達の殆どが振り返って二度見している


「緊張するなぁ」


足を一歩踏み歩く


「ごめん葵さん、待った?」


「いや全然!今来たとこよ!」


時計を見ると集合時間の10分前だったが

一応男として誘った身として葵さんより

早く来ておくべきだろう

どっかで挽回しなければ



「今日晴れてよかったね」


「そっ、そうですね」


「じゃあ行こっか」


「はい」


何となく会話がぎこちない

葵さんも緊張してるのかな

とりあえず無難なとこから切り出してみる


「その服似合ってるね」


「ありがとう、あんまりこんな経験無かったから結構悩んだけど、それならよかったわ」


「へ〜そうなんだ、僕もあんまり慣れてなくてさ、朝さんざん悩んだよ」


つい苦笑いする


「そうだったの?あなたの服も似合ってるわ

かっこいい」


「そ、そうかな」


「そうよ、もっと自分に自信を持ちなさい」


「そうだね、ありがとう」


「どういたしまして」


二人して笑う


普段見慣れている建物が流れて行き

知らない景色がどんどん流れてくる


「ジェットコースターとかって乗れる?」


「まあ、得意でわないわね」


「お化け屋敷とかは?」


「無理ね、驚いて泣くかもしれないわ」


「そんなに?」


「ええ、そんなに

...そん時はちゃんと守ってね」


「頑張ります」


そんな会話をしているうちに電車が止まり

駅に着く

改札を抜け遊園地に向かう途中


「ん?」


「どうかしたの?」


首を傾げてこっちを見る


「嫌なんでもない、多分見間違い」


「そっか、なら良いんだけど」

「あ!あそこの雑貨屋気になる!」


「へぇ〜そうゆうの興味あるんだ」


「意外だった?」


「うん、普段からしっかりしてて真面目

だからどんなのが好きそうとか全然想像つかなかった」


「そう、そのどう思う」


「え、何が?」


少し心配そうに聞いてくる


「その、イメージと違ってがっかりした

とか...」


「そんなまさか!、むしろ意外な一面

が知れて嬉しかったよ」


「そっか、ならよかったわ」


また二人で遊園地までの道を二人並んで

笑顔で歩きつづける


さっき女神が居た気がしたけど気のせいだよな


「久しぶりに来たわ」


入場ゲートを通り中へと入る

休日とゆう事もありかなり人が多い


「まあ確かに普段来る機会なんてまずないからね、子供の頃に何回か来たくらいだ」


「私もそんな感じ、さて何から乗りましょうか?」


「ジェットコースターなんてどう?」


「いきなりハードすぎない?」


「うーん、じゃあお化け屋敷とか?」


「忍君からかってるでしょ」


ほおを膨らませジト目で見つめてくる


「ごめんごめん、普段弱点があまり無かったからつい」


「も〜、ふんだ」


プイッとそっぽを向いてしまう


「何でもしますんで許してください!」


「あらほんと?」


「本当です!」


「じゃあ許す、行こっか」


「おう」




「ふふふ、うまくいってるみたいだね」


可愛い女神さまは物影からこっそり

二人の後をつけていました


「とりあえず私の役割が果たせそうでよ

かった」


女神の顔は笑っていましたが、

心はモヤモヤしていました


「こうなることは分かってたしね」


悲しそうにそう呟き二人の後を追いました



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