第2話 白雪さんとの作戦会議

「作戦会議です!!」

ビシッと、自信満々に人差し指を突きつけてくる恋雪。

人を指さすなとお母さんに教わらなかったのか。指をどかしながらやれやれとため息をつく。

「作戦会議?」

「はい!どうしたら恋ができるのか作戦を考えて、放課後話し合いましょう!」

キラキラした目で俺の返事を待ってるけど、どうしよう、さっそく面倒くさい。

「そ、そうだな…じゃあ明日の放課後だな…」

そんな顔で見られて断れるほど悪人ではなかったらしい。

「それでは、暗くなってきましたし、そろそろ帰りましょうか」

「あぁ」

恋雪がドアに触れた途端、ガラッと勢いよくドアが開く。

あんなにビクともしなかったのに。

やっぱり雪女なんだな…

そんな事をぼんやりと考えていると、

「ぎゃっ!?」

前を歩いていた恋雪の短い悲鳴が聞こえた。

何事かと見に行くと

「大丈夫?」

どうやら、男子生徒にぶつかった拍子に転んでしまったらしい。手をさしのべられ、起き上がるところだった。

あれ、確かアイツって―

「ごめんね、ケガとかなかった?」

その笑顔で落とせない女はいないと噂の、かなめ真治しんじ…!?

「……」

真治の事を見つめたまま微動だにしない恋雪。

白雪さん、さっきから動かないけど大丈夫か?どっか痛めたんじゃ…

「あの、白雪さん…?」

そっと掛けた俺の声など、きっと届いていないだろう。なぜなら

「あの、私と付き合って貰えませんか!?」

白雪さんは要に告白していた。

即落ち2コマかよ。

ていうかこれ要はなんて返事を―…

「俺でよければ」

お前もかーーーーーい!!!!!

え、なんだこれさっきの話は?終わり?

恋の手助けとやらは?

2人でニコニコ笑いあってますけど!?

あー、うん。そっかじゃあ…

全く腑に落ちないけども。

俺は2人の邪魔しないように帰るか…

うんうんよかったな白雪さん、さっそく叶えられて…

2人を背にゆっくりと帰路に着くことにすると

「…あっ、平木くん!明日の放課後待ってますね!」

こちらを見て笑顔で言う恋雪。

―!?なんの為に……!?

「それじゃ行こっか恋雪ちゃん」

「はいっ」

2人で和気あいあいと帰る後ろ姿を見送りながら、俺は混乱した頭で立ち尽くしていた。

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