16
何ひとつ音がたたずに、白火の脚に人型の影が落ちる。その不気味さに思わず身が
「…………?」
その影に
(だ、誰……?)
そこには、白火が今まで見たことのない、闇を纏った神狼族ではない青年が立っていた。彼はただ鋭い目つきで彼女を見下ろしている。
髪と同じ漆黒の
「………」
「………?」
白火は青年と視線が合い、そのまま2人はじぃっと見つめ合う。
そして流れる沈黙。
青年は白火より先に視線を逸らした。そして、彼女の脛を見たあと若干眉をしかめた。その直後。
―――――スッ。
「っ!!?」
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