08

「額に角生えてるやつ?」


 白火は額の端で人差し指を立て、怖い顔をし、自身の考える鬼を表現してみせる。

 しかし、陽葵は「それじゃない」と言いたげな表情かおを、朧にいたっては白火の表情に今にも吹き出しそうである。


「そう言えば、白火はしか知らないんだったね…っ」


 朧は笑うの必死に耐えながら、ところどころ声が震わせながら話す。


「なにが可笑おかしいのよぅ!?」

「白姉の表情があまりにも可笑しくて!」


 どうやら陽葵も朧同様、白火の表情が可笑しいと思っていたようで、2人してゲラゲラと笑い始めた。


「2人してヒドイ!」


 真剣に鬼を表現してみせたというのに。

 白火は2人の反応に頬を膨らませた。


「ごめんって」


 朧は笑いをしずめるべく、ケホンと軽くせきばらいをする。そして、白火を真剣な眼差しで見つめる。


「白火」

「朧、どうしたの?急に改まっちゃって」


 白火はなぜ朧が態度を急変させたのか、不可解だった。ただ、きょとんとすることしかできなかった。


というのはね

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