最終話 ね? 私は怖いでしょう?

 俺は気が付けば、警察に保護されていた。前後のことや今までのことがよく思い出せない。思い出したくなかった。


 ベッドの上で横になっている。しんとした部屋。誰も居ない。でも、元カノや後輩の女の子や美人が助けに駆けつけたのは覚えていた。


 窓の外は暗かった。

 包丁女は警察に捕まったらしい。

 でも、恐怖が俺を支配している。



 三人の女の子たちは、包丁女のウソを見破り、それぞれ俺を探している内に知り合ったらしい。俺は警察からも捜索されていたらしい。


 俺は今、どんな気分だろう。


 三人の女の子に対して申し訳ない。

 警察からの保護が終われば会いに行きたい。

















「ね? 私は怖いでしょう?」

 誰も居ないはずの部屋の中から、あの包丁女の声で聞こえた気がする。



 俺は助かった。

 でも、少しだけ怖い。

 包丁女はもう居ない。




 終わったんだ。

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彼女たちから返信が来ない 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo

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