第6話 美人も……
その美人とはデート一回目は順調に思えた。
相変わらず俺は親切なふりを演じた。
みるみる内に美人の目がハートマークになるかのようだ。
ふはは! こいつはもらったぜ!
そして二回目のデート。
俺はその美人と夜のホテルを予約するところだった。その時に美人のスマホが鳴った。
イヤな予感がした。
「もしもし? あ、お疲れ様。え? どうしたの? うんうん、え? うん、わかったよ……」美人の目がなぜか悲しそうだった。
「どうしたんだよ?」俺は恐る恐る聞いた。
「あのね、今日は帰ります! ごめんなさい!」
それを聞いた俺は美人の腕を掴んだ。ワケを聞いてみた。電話は誰からだとも。
「ごめんなさい、友だちなの! 離してください!」
俺は茫然自失になる。
え? 今までの彼女たちの電話って偶然じゃないの? だとすれば、誰が、何を話して、俺を彼女たちから引き離すのか?
俺は全身の力が抜けて、美人の腕を離した。
「ごめんなさい! 帰ります!」
その美人はたったったと去っていった。
え? 誰なんだよ?
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