エピローグ
――光が見えた。
眩い光。その光が揺れ、少しして、懐中電灯の光だと気付く。
見回りの先生が、私に気付いたのだろう。でも、反応する気力は無かった。まだ裸なのかな? それだけ、頭の片隅を流れた。
先生の声が聞こえた。無視したけれど、私の隣では動く気配があった。
目だけ動かして、その姿を見る。
美咲ちゃんだった。
美咲ちゃんが、何か先生と話している。私はそれを見た後視線を外して、首の傾くまま、トイレのタイルの編み目を見た。
勝手に期待し、思い込んでしまう私。そのせいで、失敗した。もう何かに期待するのは止めよう。ありのままを見ていこう。そうすることにした。
でも、根っこはすぐに変わってくれなかった。今も頭のほんの片隅では、私はまた、今の状況に期待してしまっていた。
無為の幼女 月浦賞人 @beloved
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