アラシ

第1話


…………シュ………アッシュ………




ア「……ん…。」

英「やっと起きた。コーヒー冷めちゃうぜ?」

ア「……どんぐらい寝てた?」

英「ん〜、一時間くらい…かな。」

ア「なっ、一時間!?馬鹿起こせよ!〜〜〜っ、テーブルに突っ伏したまんまだったから身体バキバキになっちまっただろうが。」

英「ちょ…それ僕のせいにするのか!?言っとくけど、何回も起こしたんだぞ?………それにしても…。」

ア「? 何だよ。」

英「アッシュ、君随分幸せそうな顔して寝てたぜ?どんな夢見てたんだい?」

ア「…勝手に人の寝顔見るなよな…オニイチャンのエッチ。」

英「ね、寝顔見ただけでエ、エッチはないだろ!」

ア「怒んなって、冗談だよ。」

英「まったく………で?どんな夢だったの?」

ア「……そう、だな…




お前がいて…ショーターがいて…、

マックス…シン…アレックス、コング、ボーンズ…グリフとスキップもいたな。

月龍も…あぁ、オーサーの野郎もいたっけ。」


英「オーサー?彼も出て来てて、そんなに楽しい夢だったの?」

ア「だってさ…信じられるか?あいつと俺、肩組んで笑ってたりしてたんぜ?親友みたいにさ。」

英「へ、へぇ…想像つかないや。」

ア「他にも変な夢見たぜ?俺とお前とショーター、三人で同じスクールに通ったり、魔法使いになったりもしたな。」

英「…ぷっ、ははは!何だよそれ。君もそんな夢見るんだなアッシュ。」

ア「笑うなよ…。」

英「ふふ、ごめんごめん…他には?」

ア「他……俺のプリンを勝手に食った英二を叱ったり…。」

英「…君、甘いもの好きじゃないじゃないか。」

ア「俺とショーターでゴッドタレントに出たり…。」

英「あの有名な番組に!?それは僕も見てみたかったな。」

ア「あとはマックスに下手くそなギター聴かされたり、ジャパニーズの酒場に俺たち三人で飲み回って、グリフとたわいもない話をして…それから……お前が…。」

英「? 僕が、何?」

ア「……夕陽を見ながら涙流してた。」

英「…。」

ア「何で泣いてるんだって聞いても、お前は何度もわからないの一点張りで…その後のことは、よく覚えてない。」

英「…そう。」

ア「…ショーターも、夏の花火と一緒になって…どっかに消えちまった。」

英「……ねぇ、アッシュ。」

ア「?」

英「…幸せだったかい?」

ア「………そうだな…





…ずっと、見ていたくなるような…夢だったよ。」


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アラシ @nujabes1023

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