第14話 神話
10歳になってからはや数か月。
毎日特にやることもない私は、クオードの頼み通り我が家の書斎から神話に関する本を探し、読み耽っていた。
日本に神話があったけど、やっぱり元がゲームだからなのか、この世界の神話は物語チックというか…。
それから特に興味深いのは、この神話に登場する神様達が、私が生まれ変わったこの家ととても関係が深いことだ。
丁度読み終わった本をパタリと閉じて、窓の外を眺める。
──女神様は神様のこどもとして、光を生んだ。光を生めば影も生まれた。影と光は対になる。
(影って、今でいう魔界のことなのかな?)
──対になった光と影は、交わることができないまま成長していった。まるで今のあのふたつの国みたいに。
光を産んだ女神様は、相容れないふたつの関係を憂いていた。その憂いは現実となり、やがて2つは争い始めた。女神様は光と影を生んだことを悔やみ、自らの命と引き換えに「境界」をつくった。
女神様を失った神様は怒り狂い、光と影に罰を課した。
(⋯⋯その罰が何かは、書かれていない)
クオードが何故こんな話を知りたかったのかは分からないけど、手紙に話をしたためて郵便で送る。伝書鳩さん、行ってらっしゃい!肩入れしたくないんで、会うのはなるべく避けましょうね!
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