第11話

浴衣に着替えると、私は飯にありつくため、金を持って外に出た。


周りには、天ぷら、焼き鳥、そばみてーな、和食の店が並んでいる。




「どこがいーかな……」




 私ん中じゃ、和食は味付けが薄い印象だ。


前に天ぷらを食った時は、満たされなくて、その後ファストフードを食った記憶がある。




「でも、そーゆーコンセプトだもんな」




 確か、ここのクサツは、日本にある草津って所を模倣して作った街らしい。


だから、必然的に飯は和食になる。


坂を下っていくと、硫黄の匂いが辺りに立ちこめ、湯畑が姿を現した。




「くっせーな」




 思わず顔をしかめるが、この一帯には色んな観光客で賑わっている。




「私らも一枚、撮っとくか」




 スマホを取り出すと、湯畑の前で一枚、写真を撮る。




「ばあ、ばあ!」




「何だお前、写真撮られるの好きなのかよ」




 いつもより何故か興奮気味のウォーリー。


よだれが半端ない。


坂を降りきった先の良さげなそば屋に入ると、空いてる席に座り、メニューを見る。




「……えーと、これにすっか」




 メニューの1ページ目に、おすすめ、みたく書かれていた「田舎汁のつけそば」にした。


ちなみに、値段は7ドルだ。


数分後に、おばちゃんがつけそばを運んで来た。


汁の中身は、キノコ。




「おばちゃん、都会汁だと何が入ってんだ?」




「カモとか、肉系が入ってるわな」




 ……まじか。


そっちにすりゃ良かったかも。


私がそばをすすると、ウォーリーが物欲しそうな目で見つめてくる。




「なんだ、おめーも腹減ったのか。 おめーはそばよりミルクだろ。 後で飲ませてやっからよ」




 そばを食い終わると、私は旅館へと戻ることにした。






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