第8話

「おきゃあーっ、おきゃあーっ」




「くっそ、何だよ」




 クサツに向かう途中、ウォーリーが泣き出した為、道ばたにバイクを止める。




「ミルクか? うん〇か?」




 うん○の時の、強烈な匂いは無い。


私は、ミネラルウォーターを取り出し、水に溶ける粉ミルクを中に入れて、シェイク。


その後、脇の下に挟んで人肌に温めると、ウォーリーに飲ませた。




「……ごきゅ、ごきゅ」




 吸い付くように飲んでる。


やっぱ、腹が減ってたのか。




「ウォーリー、移動しながら飲んでくれ」




 サイドカーに乗せると、急いでバイクに跨がる。


赤ん坊ってのは、世話がかかるぜ。


その時、チリン、というコールがポケットから鳴った。


死神ツイートが更新された時の音だ。


携帯を取り出し、速報を読み上げる。










 死神カンナ、またやらかす。


ロズウェルにて、少年が鎌を使用。


三日間の免許剥奪。










「また、じゃねーよ」




 まだ3回目だっつの。


しかも、すぐにその記事に反応したツイートが流れてくる。




ツキミ:あいつ、ほんと鎌の管理甘いよな。




ミカヅキ:ネバダ州のシンゲツか、ミネソタ州のレモンが近いんじゃないか?




シンゲツ:ちょっとロズウェル向かうわ。




レモン:先に行ってて。 私もすぐ向かうから。




クロサキ:手の空いてる奴は、ロズウェルに向かってくれ。 年貢の納め時だ。












 ……何か、私、めちゃ嫌われてねーか?


しかも、ミネソタ州のレモンは、月間ベスト死神にも選ばれたことのある実力者だ。


ネバダ州のシンゲツは、ホットドック大食いコンテスト16位っていう、よく分からない記録を持ってるくらいで、大したことはない。


だが、二人に同時に狙われたら厄介だ。




「……ん?」




 ハイウェイの真ん中に、何かいる。

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