第5話

前方にヴァレンタインのパトカーを発見。


アクセルをふかし、前に回り込むと、私はウォーリーをマイクに任せて、後ろの荷物置きスペースに移動。


ハッチを蹴破り、鎌を片手に持ってジャンプした。




「……!?」




 パトカーのフロントガラスに飛び移ると、そのまま鎌を振り下ろした。




「くらえっ」




 ギラついた刃がガラスに刺さり、ヴァレンタイン目がけ一撃。


しかし、外れて背中のシートに突き刺さる。


ヴァレンタインは助手席のショットガンを掴み、私目がけて放つ。


ドン、という銃撃音。


フロントガラスは粉々になり、私はパトカーの屋根に逃れた。




「こんにゃろっ」




 再度、鎌を振り下ろす。


鉄板を突き破り、今度は手応えありだ。


鎌を抜くと、切っ先が血で濡れている。


突然、体が前に吹っ飛んだ。


思い切りブレーキを踏んだのか。


私は、鎌を地面に突き立て、どうにか激突を回避する。


 遠目から、肩を押さえて車から降りるヴァレンタインが見えた。


片手にはショットガンを持っているが、レバーを引かなければ使用できない。


そこにマイクが近づく。




「お前は俺の友達を傷つけた。 ただじゃ殺さない。 お前には悪夢を見せてやる」




「……くたばれ、侵略者」




 ヴァレンタインは、レバーを掴んだ状態で、銃を思い切り上下させた。


弾が装填される。




「マイク、伏せろっ」




 私は、叫びながら鎌を投げた。




「っ……」




 マイクは前のめりに倒れ込み、その頭上を回転した鎌が飛ぶ。


弾がショットガンから弾け、鎌に命中すると、はじき返され床に落ちた。


すかさずマイクが鎌を拾い上げた、その時。 




「うっ……」




 突然、私の頭の中に、映像が流れ込んできた






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る