第3話

サイドカーのガソリンをセルフのスタンドで補給し、走ること1時間。 


目的地のロズウェルに到着。


そこら辺に緑の色をしたエイリアンの看板やら、UFOを形作った店があり、目的地のスタバにも、壁面にロケットの模型が突き刺さっている。


 駐車場にバイクを止めると、ポケットから携帯を取り出し、オペレーターに繋いだ。




「はい、こちら死神オペレーションセンターです」




「カンナだ。 今からメールの案件をこなすから、ターゲットの詳しい情報を教えてくれ」




「しばらくお待ち下さい」




 保留のメロディが流れ、しばらくして、さっきの女性オペレーターが出る。




「ターゲットの名前は、ヴァレンタイン。 年は45で、最近、この街に配属された保安官です。 動機は不明ですが、ショットガンを所持、間もなく銃を発砲します」




 マジか!


こうしちゃいられねーと、私は鎌を担いで店に向かうべく走り出した。


その時。




「おぎゃあー、おぎゃあーっ」




「げっ!」




 何で急に泣き出した!?


私がサイドカーから離れたからか?


くっそ……


一旦サイドカーに戻ってウォーリーを抱える。




「なあ、頼むから大人しくしてくれよ」




「だあ、だあ」




 抱きかかえた瞬間、泣き止みやがった。


鎌でこいつを眠らせねーと、こっから離れられないらしい。




「ウォーリー、この鎌、よく見てろ」 




 ゆっくり、振り子のように揺らす。


あっという間に、ウォーリーは眠りに落ちた。




「いい子だぜ」




 すると、ガアン、という音が背後から響いた。




「やべっ!」




「うえええーーーん」




 ウォーリーを寝かしつけてる内に、店でドンパチ始めやがった。


しかも、銃声で目ェ覚めちまったじゃねーか!


私は、テンパって、ウォーリーを抱えたまま、店の中へと足を踏み入れた。




「ちっ…… 間に合わなかったか」




 店の中には、倒れた店員と、ショットガンを抱えたヴァレンタインと思しき男が一人。


男は、私の横を走り抜けて行った。




「リザ!」




 倒れた女性の傍らには、もう1人の店員が涙目で声をかけている。


私は2人にかけよった。




「おい、しっかりしろ!」




「どけ」


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