終幕「続いていく夜」
クリスマスを
「なんれすかお前は。なんれわたす達の邪魔をするれすか」
舌ったらずの言葉。ウサギに
『いい加減慣れなさい。坊やは正義の味方じゃないし、私たち霊界人も、正義を
『分かってるよ、うるさいな』
突然現れて、こちらの行く手を
喰えるかどうかは分からないが、とりあえず殺してから考えよう。長い牙はそのためにあり、この牙を逃れた者はいないのだから。そう楽観視して入舸に
「な……なんれす、これ?」
ごぽりと口から血が
「お前は……なんなんれす?」
フード付きの拳法着、そのフードの下から
「死神だ」
夜が終わり朝を迎える。朝に生を得て、夜に死を送る。
繰り返し繰り返し続いていくだろう、繰り返し繰り返し続けていくだろう。
いつか本当の夜を迎えるまで、僕はこの偽りの夜を続けていく。
沖波入舸十六歳。職業――死神。
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