第4話 君の笑顔が生きがい
ふぅ、、、
取り敢えず出来た。
後は数分煮込んで完成ってところか。
そう考えながらリビングを見てみると、さくらがテーブルの横で立っていた。
「どうしたの?座ってて良いんだよ?」
「、、、、、、、、」
やはりまだ距離があるなー
まぁ慣れない場所でいきなりくつろぐのは自分でも無理があるか。
「取り敢えずできたから食べようね。辛かったりしたら言ってね!」
「はい、、、」
そう言いながら食器を並べていく。取り敢えずカレーとサラダと言うシンプルな食事になっております。
子供用のスプーンは持ち合わせていないため、若干それっぽいスプーンを探して用意している。後日100均で買わないとなー。
「食べていいよ」
食べることを勧めて反応を見る。まぁ嫌そうな顔をしたら下げれば良いか。
「はい、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
おいしい!」
「お!!」
「そう?、、、、良かったーーーーー」
いやー安心した!取り敢えず心の距離は少し近づけたのではないだろうか?
「遠慮しなくてたくさん食べて良いからねー」
「あ、、、ありがとうございます、、、」
多少ギクシャクした雰囲気はあるものの、食事の際は食事に顔が向いているため、気が楽である。
まぁ、自分が出来る事を与えていけばきっといつか心を開いてくれるだろうと思う。
初日から心を開いてくれるほど簡単なら苦労はない。
そう思いながら、反対側でカレーを食べているさくらの頭を軽く撫でた。
ビクッと少ししたものの優しく撫でていると次第に
緊張は溶けていった。
すると、さくらの目から涙が出ていたのだ。
「ど、ど、どうしたの????触られるの嫌だった?????
ごめんね?ごめんね???」
めちゃめちゃ焦りながら俺はさくらに必死に謝った。
昔友人に女の子は頭を撫でられるのが好きな人と嫌いな人がいるからその見極めが大切だと教えてもらった事がある。
これはもしかしたらやっちまったパターンでは無いだろうか?
このカレーと言う名の武器を用いてせっかく蜘蛛の糸のように細くはあるものの、良い関係性の繋がりが出来つつあったものを自分から壊してしまったのでは無いだろうか、、、
もの凄く後悔しながら必死に謝っていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、、、」
さくらが自分に謝ってきた。
「いやいやいや、悪いのは俺だからさくらが謝ることはないんだよ?頭触られるの嫌だったんだね?ごめんね!俺が全部悪いんだから!さくらが謝ることはないんだよ!」
必死に伝えたさ!
こんな小さくて可愛い子が悪いわけないだろう!
可愛いは正義だ!!!
土下座だってしているよ!
そんな俺を見てさくらは落ち着いたようだ。
「いやじゃない、、、」
「本当?」
「うん、、、たたかれるとおもったから、、、」
えづきながらではあるが許してくれた。
「そんなことしないってーー良かったー
でも触られるの嫌だったんだね!
ごめんね!次は気をつけるねー」
めちゃめちゃホッとしたのか心の重りが外れたかのように笑顔で話していた。
「いやじゃない、、、またさわってほしい、、、」
ちょっとさくらの方から勇気を出したかのような声が聞こえた。
「そう?まぁゆっくり食べな!食べたらお風呂入ろうか?」
「!!!!
うん!!!」
まだ硬くはあるが今日一番の笑顔を見れた気がする。もちろん俺の右手はさくらの頭をゆっくりと撫でていた。
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