第15話 触手、鬼退治の準備をする

「それでどのガラのお着物にしやしょうか?」


 古着屋の店主が尋ねる。


「そうだな。それじゃあ適当なガラのを」


「緑と黒のタイルになってる奴で」


 アマテラスが指定した。


「え?」


「緑と黒の奴で」


「へい。こちらのシマシマの奴でございますね?ただいまお持ち」


「ちげーよ!そっちの正方形のやつっていってんだろーがよおおおお!!!」


 いきなり怒鳴り散らすアマテラス。


「はっ!も、申し訳ございません!!!」


 古着屋の店主は大慌てで着物を取り換えた。


「で、御嬢様の方は?」


「こっちの白い着物と。あと合わせてピンクの布地も追加で貰うわね」


「え?でもその白い着物はどこも傷んではおりませぬが?」


「袖口に付け足すのよ」


 細かく指定するアマテラス。


「お、おいお前それって」


「あ、ボクはこの帽子を貰うよ」


「へい。その南蛮渡来の帽子でございますね。お目が高い」


「なんか無惨な感じな帽子があるうううう!!!!!!」


「何が無惨でございますか。これは長崎から来た商人が持ってきた大変珍しいものでございまして。こちらをお求めになるとはお客様は人並み外れた眼力の持ち主とお見受け致しました」


「あっはっはっ。そんな事ないってばさ」


「いや人並み外れたどころかそもそも人じゃねーよこいつっ!!」


「マント造るんでその蝶柄の布ください。あと滝柄の布もください」


「デーモンスレイヤーやんの?!ねぇそれデーモンスレイヤーだよねデーモンスレイヤー!!!???」


「服はいいとして実用品として草鞋と三度笠は必要だよ」


「それでしたら知り合いの浪人を紹介いたしましょう。家計の足しにする為、内職で三度笠や草鞋を造っております。是非とも沢山買ってあげてください」


「ねぇ蝶の髪飾り売ってないの?」


「かんざしでしたらそちらも知り合いの腕のいい職人がおりますので。そちらでお求めてくださいませ」


「やっぱりデーモンスレイヤーじゃねーかよおおおーーーー!!!」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

触手 グレート オーダー 虹色水晶 @simurugu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ