第6話 触手、弥次郎の個人情報を盗む
「弥次郎君。君は先ほどこのすば以外の小説は読まないと言ったけど」
クイックムーバーは十二本ある触手のうちそのひとつを伸ばした。それは弥次郎の部屋にあるノートパソコンに一瞬で伸びていく。そして縮んだ。
「この中にある新しいフォルダーの中をボクが見てもまだそんな事を言えるのかね?」
「そ、それだけはっ!!?」
100メートルを12.032秒で駆け抜ける身のこなしで弥次郎は手を伸ばした。何というスピードだろう!平均的なろう主人公の千分の一、いや一億分の一の速度ではないか!!あいつらはいつも光の速度で戦ってるからな。そのくせ光より遅いビーム光弾をやたら撃ちたがるんだ。だが現実は非情である。
「触手パンチッ!」
おおっと!弥次郎君!窓からふっとばされたあああああ!!!弥次郎君はこぼれ弥次郎君となり、自宅の前にあるコンビニ駐車場へと一直線だあああ!!!
「触手キャッチ!!」
凄い!キーパーのクイックムーバー君が弥次郎君を見事にキャッチしました!プレイ再開です!!
コンビニの前には各都道府県知事の自粛要請を無視してバイクに乗って首都圏からGOTO富士山するべく、不良グループの若者がいた。日本政府の指示に従って積極的に観光振興に励む若者がこんなにも多いなんて!なんと模範的な青年たちなんだ。これでコロナ化の日本の将来は安泰だな!!
「おい。今俺達の真上に人が飛んでこなかったか?」
「俺達が食い捨てたカップ麺をカラスが食いに来ただけじゃねーのか?ほら行くぜ」
二週間後。彼らはコロナ検査で彼らは陽性と判断された。それと富士山のある山梨県でのコロナ発生数の増加は関係ないだろう。日本政府はいつも正しいのだ。
「弥次郎君。君のフォルダのJPG画像の中身だが、思った通りだ。レムさんの画像がたくさん保存されているね?だがラムの画像が保存されているのにエミリアの画像がないのはどういうことだい?」
「リゼロのヒロインはレムさんだろう?」
「そうだったね。弥次郎君。君の言うとおりだよ。ところで狂三ちゃんの画像は大量にあるようだが十香の画像がないようだね?」
「え?デートアライブのメインヒロインは狂三ちゃんだろ?」
「そういえばそうだったね。ボクが勘違いしていたね。ところでビリビリの画像はあるようだがインストールさんの画像はないようだが?」
「ちゃんとアーチャーインフェルノの画像は保存してあるぞ?」
「おっとすまない。カーミラと一緒に保存してあるね。うっかり見過ごすところだったよ。ところでティファとエアリスだったらどっちが好きかい?」
「FFはやったことないけど2Bってキャラが一番好きかな」
「なるほど。その手があったか。大人になれよ。と言われたらビアンカでもフローラでもない。大人の選択肢として2Bを選べばいいんだね。2Bにウェディングドレスを着せればすべては解決する問題だったんだ。弥次郎君。君は人間だが、人間との交流は本当に勉強になるよ。ところでMODは他に何入れてる?」
「モデル歩きとシャープシェード。ボディラインのモデリング滑らかになって胸が揺れるようになるんだ。バストサイズ変更はエラーが出るから入れてないよ」
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