第7話 触手と学ぶ日本史

「ボクがなんでここにいるかというと、まぁいくつか理由はあるけど一番大きい理由はなろう主人公みたいに自分より弱い相手にイキり散らすことに興味はないんだ。魔法学校で入学試験会場を粉々に吹き飛ばすような事をするつもりもないし、ギルドのFランクからのし上がるつもりもないんだよ」


「てかお前触手じゃないか。魔法学科にも入学できないし冒険者ギルドにも入れないだろ」


「魔族が通う学校って設定のはずなのに生徒は見た目が人間の奴しか通っていないのはボカアどうかと思うけどね。おっと、ちょっと前にキャラデザだけ見たアニメの話はこれくらいにしておこうか」


「本編も見て批評してやれよっ!!」


「さらに言えばボクのような種族と弥次郎君達人間と最も大きな障害になりそうな問題もクリアーできる。弥次郎君、大阪グールってマンガ知ってる?」


「人間を食べるグールと警官が大阪で戦うアニメだろ?」


「あれ、グールも食べれる食肉が発明されて和解エンドなんだよ原作」


「最初のグールは人間しか喰えない設定どこ行った」


「ボクも人間(も)食べる生物だけど、人間(しか食べない)生物というわけじゃあない。鳥、豚、牛、イルカ、その他食べられそうなお肉があればそっちを優先して食べるよ。もちろん反捕鯨団体やベジタリアンがクジラを食べるな。あるいはステーキを食べるな。というならば仕方ない。代わりに反捕鯨団体やベジタリアンの人間を優先して食べる事にしよう。文句はないよね?だって彼らは人間よりクジラや家畜の命が大事なんだから」


「なるほど。お前は人間以外の肉があったらそっちを優先して食べてくれるのか」


「そういうわけでボクは名誉にも財産にも興味がないんだ。あると言えば君達人類そのものと言っていいね」


「人類そのもの?」


「たとえば弥次郎君は手と足合わせて四本しかないじゃないか。ボクは十二本も鞘腫があるのにさ。普段の日常生活に不便だと思わないのかい?」


「いや思わないよ」


「そんな事はないだろう。弥次郎君は手足の二本や三本を失ったら大変な事になるはずだよ」


「お前と一緒にすんじゃねーよ」


「そういうわけだから弥次郎君。君をもっと調べさせてくれ」


「うあああああああああ!!!!!」


 クイックムーバーは弥次郎を触手で掴むと一気に飲み込んだ。


「ふぅ。弥次郎君はやっぱりおいしいなあ」



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