第8話リョウジの反撃

梶山がいつもの今日の予定を話している真っ最中、けたたましくやってきた。

そろそろやって来る頃だと思っていた。

元婚約者華子とその父の徳蔵だ。

徳蔵は病院を経営しているが事務はすべて息子のトシキに任せている。

トシキは医師になれずしかし跡取りとして三流大学の経済学部をでている。

だからかはわからないが、娘を僕と婚約させて経営を盤石なものにしたいのは当初から明白だった。


「リョウジくん、あの週刊誌の報道はどういうことかね。」

「どのことを言っておいでですか?

トシキさんの事ですか?病院のことですか?それとも華子さんの事でしょうか?」

皮肉ぽくそしてすべて知っているとあえてわかるように言った。

憎々しい顔でこっちを睨みつけているがそんなこと知ったことではない。

「君はかりにも華子の婚約者だろう。なんてことをしてくれたんだ。」

「毎晩いかがわしいパーティーばかり開いておられるようですね。華子さん。我が前園家にはふさわしくないとうちの父よりそちらに連絡がいっているはずです。そしてお父上である貴方は医療事故の揉み消し、医療関係者の長時間労働、叩けばまだまだでてきそう。

息子さんが大学時代に起こした事故事件すべて優秀な弁護士と相手に高額な示談金を渡して揉み消している事記事だって裏取るために調べはついています。

貴方は明日から病院の医院長ではありません。あの病院は前園家が買い取りました。貴方と息子さんはすべての責任をとって今日付けで辞任します。

息子さんが病院のお金を使い込んでいたことが原因です。すべて調べと証拠を押さえてあります。

お疲れ様でした。もうお帰りください。二度と会うことはないでしょう。」

真っ青になって徳蔵は携帯電話をもって飛び出していった。

睨みつけたままで元婚約者の華子はこちらを見てる。

「ひどいここまでするなんて!」

「ひどいだって、貴方のほうが私を騙してていたんですから。さようなら。」

執事らしき男が連れて帰っていった。


「リョウジ様、買い取った病院の件ですが、立て直しは難しいようです。

会長より知り合いの大学病院の傘下にスタッフごと売り渡すことと指示がでております。」

「了解した。会長はかなり怒っておられたかな?」

「はい、病院を買い取ることはなかったのでは?とやりすぎだ!とおしゃっておられます。」

「かつ場合は8割が会長いやお父様の信条だからね。」

「あと、会長は律子様のことも知っておられます。近いうちに報告にくるようにとのことです。」

「うっぐぅ、了解したと伝えてくれ。」


大体今回の婚約者の件だって親父がジェネリック薬品に参入するために、医師会に繋がりがほしくて俺を利用したんじゃないか!

当時医師会の副会長だった徳蔵氏に近づき父はジェネリック薬品事業がうまくいくと俺にかつけやがって。

婚約破棄する材料は前々から用意してあったけど、あの女が律子にしたことがゆるせなかったこと、あの病院に律子の両親が勤めていたから病院を買い取るはめになってしまったこと。

「親父のいうとおり勝ちすぎだな。」



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