第7話 リョウジと律子
初めて律子に会った日は忘れない。
その日は雨だった。1月で寒い日。
梶山のムスメの誕生日なのに、急な仕事がはいった。思いのほか早く終わったから、たまには梶山をそのまま帰して自分は電車でかえろうと駅で降ろしてもらい別れた。
駅前には予備校が並んでいるせいか、学生服の子達が多くてびっくりして、ホームや改札の場所を教えてもらう為に声をかけたのが高校三年生の律子だった。
「切符売り場はここですよ。私も同じ方向なので一緒に改札口へ行きましょう。」
切符を買って彼女をみると他の子とは違って凛として他の高校生の子達から一歩引いたところにいるような落ち着いた感じでただ立っていた。
そして、一緒に電車に乗り、
「私ここで降ります。」
別れがたく一緒に駅でおり、お礼に喫茶店でお茶をした。
話してると年頃の悩み、勉強や将来のことなんか話しした。家族とはうまくいってない⁈のか話したがらないし、僕のことも詮索しない。帰り際に携帯番号を交換してその日は別れた。
それから何度か会ってご飯食べたりはなししたりした。めずらしく、律子から連絡があった。
いつもの制服ではなく、普段着の彼女はとても高校生には見えない。ご飯食べた後、車で送るよって言ったら
「今日は帰りたくない。」
何回かあって話したけど彼女のウエットのきいた話ぶりは魅力的だし、そうかと思ったらふと見せる寂しげな横顔が気になる。もう彼女に夢中だった。
その夜、夜景が綺麗なスィートに入った。
彼女からのキスにもう止まられなくなった。
僕自身だけを見て愛してくれる彼女はかけがえない存在だ。
彼女から離れるつもりも、ましては他の男にやるつもりもない。この日のためにしっかり準備してある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます