第52話 『魔獣の勇者』vs「風柱」 後編

『「たとえこの身を犠牲にしようとも、

    いやこの身を犠牲にしなければ、僕には勝利なんて掴めない」

                    魔獣の勇者は魂を捧げる』


「あれ?ここ・・・は?」


 ふと気が付くとトトマは見知らぬ場所、というよりは空間にぽつんと1人立っていた。だが、足元には地面はないし立っているというよりかは彼はぽつんと浮かんでいたと言う方が正しいのかもしれない状態だった。


「し、死んだの・・・かな?でも、ここは“生き返りの間”とはまた雰囲気が違うような・・・」


 先程まで魔階島の闘技場にてストームと死闘を繰り広げていたはずが、正体不明の声が聞こえたかと思うとトトマはこの場所へと来ていた。ここは、そんな彼がよく知る、人が死んだ後に行く場所“生き返りの間”にも似た場所だが、そこにはあの口うるさい女神の姿は無い。


『死んだ?おいおい、おかしなことを言うやつだな・・・』


「うわぁっ!?・・・あ、あなたは・・・?」


 すると、その女神様の代わりにいたのは全身真っ黒な見た目をした人間であった。目もなければ耳も鼻も口もない。ただが何やら鎖のような物に巻かれてトトマと同じくその白い空間にぽつんと座っていた。


『まぁまぁ、落ち着きなって。久しぶりの話ができる相手なんだ。ゆっくり話でもしようぜ』


 ここは夢なのかそれとも死後の世界なのか、何も分からないトトマはとりあえずその影のような男を頼ろうと男の前でちょこんと座して話すことにした。


「あの、それでここはどこなんですか?僕はさっきまでストームさんと戦っていたはずなんですが、それに体の怪我も治ってるんです」


『ストーム?あぁ、お前と戦っていたあのガキか!大丈夫、大丈夫、ここは現実世界とは隔絶した空間だからよ。言わば“時と精神の狭間”ってとこなのかな?お前はまさにそのストームという奴に殺される瞬間だよ』


「は・・・はぁ」


 何やら随分とトトマに親しく話す影の男であるが、だがトトマは彼の声を何処かで聞いたことがあるような気もして、どうしてか彼もその影の男に親しみが持てた。まるで生まれてからずっと一緒にいたような、共に苦楽を共有してきたようなそんな親しみがあった。


「それで・・・、あ!僕はトトマって言います。あなたはなんと呼べばいいですか?」


『なんだ?改まって自己紹介か、トトマ?まぁ、いいけどさ。俺の名前は・・・そうだな、今は“深淵纏衣之魂喰ソウルイーター”なんって言う変な名前で呼ばれてるよ。変だし長いしで、今は“ソウル”でいいや。そっちの方が呼びやすいだろ?』


「じゃあ、ソウルさん・・・」


『“さん”はいらねぇよ、トトマ』


「あ、うん。じゃあ、ソウル。改めて教えてほしいんだけど、ここはどこで。それで僕はどうやったら元の場所に戻れるの?」


『ここはさっき言った通り現実世界から隔絶された場所だ。お前がこの間ちっこいガキから貰った剣があっただろ?簡単に言えばあの剣がお前をここに呼び寄せた』


「呼び寄せた?ということはここは別の場所?」


『だからー!分かんねぇやつだな!ここはお前の魂の中だよ、ぼんくら』


「魂!?」


 何やら馬鹿にされたようであったが、トトマはそのことは一切気に掛けずにその“魂”という響きに驚いた。


『おいおい、何で驚く必要があるんだ?』


「いや、だって・・・魂なんてあるんだな・・・って思って」


『はぁ?お前たち人間はいつも死んだ時に・・・いや待て。そうか、そう言うことか・・・、あのふざけた神共め』


「・・・神?」


『あーいやいや、こっちの話だ。気にすんな。それより、ここはお前の魂の中、そんで俺はあの“深淵纏衣之魂喰ソウルイーター”なんていう名前の剣の中に封じ込められていたところ、あの剣の力でお前の魂とも繋がったってこと、お分かり?』


「なん・・・となく。あれ?でもそうしたらソウルは“深淵纏衣之魂喰ソウルイーター”ではないの?」


『お!今度は物分かりがいいな!まぁ、そういうことだな。俺は今は“深淵纏衣之魂喰ソウルイーター”に溶け込んでしまってはいるが、元々は別のものよ』


「別?・・・というと?」


 しかし、今まではトトマの質問を何でも気軽に教えてくれていたソウルであったが、その質問にだけは即答せず彼はただニヤリと笑った。勿論、笑う口など無いので笑うことはできないのだが、彼と相対するトトマにはそう感じ取れた。


『それは追々話してやるさ。ところでトトマ、ここがお前の魂の中ってことはすぐにでもお前は現実世界へと戻れるわけだが、戻ってどうする?』


 急に話をすり替えたソウルにトトマは現状をハッと思いだした。とりあえず、死んではいないようで、ここにいても現実の時間は一秒も過ぎていないらしいが、結果としてトトマはこのソウルとかいう影みたいな男に出会えただけで事態は何も変わっていないのだ。


「ど、どうしましょう?」


『「どうしましょう」って、おいおい!勝ちたいんだろ?あのストームとかいうガキをぶち殺したいんだろ?』


「べ、別に殺したいわけじゃないよ!?でも、勝ちたいのは・・・そうかな」


 トトマはそれだけを言うと視線を不意に下へと落とした。何も彼自身恨みや憎しみがあってストームを殺したいわけではない。だが、できることならストームには勝ちたいし、その結果としてその彼を殺してしまったとしたらそれは申し訳ないなとは思っていた。


『どちらにせよ、殺そうが殺さないだろうが何をしようと勝手だが、でも強くなりたいんだろ?そう願ったんだよな?』


「そう・・・だよ。僕は強くなりたいんだ。今よりももっと、誰よりも強くなって皆を守って、皆から頼られるような・・・そんな勇者に僕はなりたい。いや、なりたかったんだ」


『ん?「なりたかった」?おいおい、今は違うのかよ』


「だって、僕には・・・才能がないもの。『勇者のスキル』なんてものがあったとしても、僕はただモンスターと話ができるだけが取り柄の勇者で結局一人ではこの有様なんだ」


『けっ、うだうだと器の小さい奴だな、おい!力が欲しければ奪えばいいだろうが!それがこの世界の常識だろ!』


「奪う・・・?」


 普段はそんな暴力的な助言などする者はトトマの周りにはおらず、そんなこと言われたのは初めてであったが、だが何故かトトマの心はどくんと大きく揺らいだ。


『そうだろ?金が欲しいから殺して奪う!女が欲しいから犯して奪う!土地が欲しいから侵略して奪う!人はそうやって生きてきたんじゃねぇか、ならどうして躊躇うんだよ?』


「で、でも!?そんなことをしたら・・・」


 何故か甘く心地よく聞こえるソウルの声に流されそうになったトトマはもう一度踏みとどまる。欲しいからって何でも奪っていいのかと自問自答し、それでは誰かが傷つくと考えを改める。


『よく考えてみろ、トトマ。他の奴らは皆そうやって強くなっているんだぞ?』


「皆・・・?同じ?」


『そうだろ?どうして挑戦者はダンジョンに入るんだ?そこにあるものが欲しいからだろ?金、武器、鉱物、食料、植物、それらが欲しいから人はダンジョンに入る。そこで奪ったもので人はどんどん強くなる・・・』


「そ、それは・・・確かにそうだけど」


『いやいや、何もそのために人を殺せって言うわけじゃない。神様たちの手前、トトマがそんな悪いことはできないのはよく分かる。でも、人を殺さなければいいよな?それに、それで得た力でお前のパートナーたちは喜ぶぞ?強くなったお前を見て誰もが羨ましがる。もう誰もお前のことを蔑んだり、馬鹿にしない』


 いつの間にかソウルは立ち上がり、鎖を引きずってトトマのすぐ後ろへと移動しており、優しくトトマの耳元で囁くように話していたが、トトマはそのことに一切気が付いていなかった。今のトトマに見える光景は彼が魔階島に来たばかりのあの時の光景、聞こえるのはその時に投げかけられた落胆の声。あの時からトトマの胸の中に、魂の中に渦巻いていた何かが急にどろりと溢れ出し、その黒い何かはトトマとソウルを包み込むがそれでもトトマは気にもしなかった。否、気にすることすら感じなかった。


「僕は、強く・・・なれる?」


『あぁ、なれるさ。それこそ最強の勇者に、あの“クロスフォード”すらも超える最強の勇者にな・・・』


「なら、僕はどうすればいい?」


『簡単さ、俺と手を組もう、トトマ。俺の力をお前に貸してやるさ、欲しいものを手に入れる“奪う”力を・・・な』


「分かった、ソウル。君の力を僕に貸してくれ」


『いいぜ、トトマ。これから一緒に強くなっていこうぜ。どの挑戦者よりも強く、どの勇者よりも強く。それこそ・・・ぐらいに強くな』


 そして、その甘い声を最後にトトマの目の前は急に真っ暗になった。体の周りを何かが蠢く感触があったが、不思議と不快ではなく。トトマはそれに抱かれるようにしてその暗闇へと身を委ねた。


「『天地創造の螺旋スパイラル・ジェネシス』!!!」


 その一方で、せめてもの挑戦者としての礼儀として、ストームは瀕死で立っているのもやっとの様子なトトマに対して最大火力の魔法を放った。その地面を抉る程の強烈な嵐は周りのものを浮かしては飲み込んで切り刻み、バラバラにしては吹き飛ばしまた飲み込むという連鎖を繰り返しながらもトトマへと直進する。


 その光景を目の当たりにして、トトマの後方に控える観客たちは一斉に席を立ち魔法の巻き添えを喰らわないようにと避難しようとするが、その様子を見てカキコは慌てて『拡声石』を手にする。


『お、落ち着いてください!闘技場の周りは聖導会の皆さんが奇法にて障壁を貼っていますし、ただ今その障壁が最大まで強化されましたので、万が一にも観客席に被害が及ぶことはありません!!』


 だが、それでもストームの放った魔法は逃げだしたくなる程巨大で恐ろしかったが、それをトトマは正面で見据えていた。彼が何もしなければ、彼もバラバラに切り刻まれて気が付いたら“生き返りの間”にいることになるだろう。だが、何かしたところでやはり今のトトマには成す術がなく結局は切り刻まれて死ぬだろう。


 そんな中、トトマの眼は絶望に染まってはおらず、彼の眼は覚悟の色で染まっていた。たとえ、相手が誰であろうとも強くなって勝利を掴むためにトトマは彼にしか聞こえないソウルの声に従うと謎の少女ユーから貰ったあの剣をストームへと向け、叫ぶ。


 無論、その声は誰にも届くわけもなく、トトマも彼の声も荒れ狂う竜巻の中に飲み込まれていった。ストームの魔法は闘技場に貼られた障壁に衝突することでようやく収まり始め、闘技場にはズタズタに壊れ果てた地面と砂埃、そしてストームだけが残っていた。


「・・・終わりだね」


 最早確認するまでもなく戦いの勝利を確信したストームであったが、乱れ舞う砂埃の中からここにはいないはずの、死んだはずの少年の声が響き渡る。


「『ブレイブ・スラッシュ・ゲイル』!!」


「なにッ!?」


 その少年の放った一撃は彼の周りの砂埃を一瞬にして吹き飛ばし、さらに彼の放った斬撃は高速で飛翔すると遠く離れたストームを大きく斬り裂いた。当然現れたその魔法のような技に驚きつつも、ストームはそんなことりもそこに立っていた少年に慄いた。


 ストームの最大火力の風の魔法が直撃したにもかかわらず、『魔獣の勇者』であるトトマは闘技場に未だにその場所に立っていたのだ。しかも。その右手には何やら怪しげな剣を持ち、彼は覚悟を決めた眼でストームを見つめていた。


『こ、こ、これは一体全体どうしたことでしょうか!?ストーム選手の強烈な魔法を受け、既に瀕死であったトトマ選手は死亡したかと思いきや!まだまだ彼は闘技場に立っている!?彼は死んでいるのか?いや死んでいない!!』


 カキコのもう叫びに近い実況に、観客席にいた者たちもざわざわと騒ぎ立てて闘技場に立つトトマを見つめる。確かに彼はボロボロの血だらけであった。立っているのも不思議なくらいに傷だらけであったが、しかし彼はストームの魔法を受けても生きていたし、加えて何やら見たことない技まで披露した。


「い・・・い・・・」


 そんな中、完全な不意打ちでその体に一撃を受けたストームは傷を抑えながらもわなわなと震えてゆっくりと起き上がった。何故トトマが死ななかったのか、トトマの放ったあの技は何なのか、色々なことが気になったが今はそんなことはストームにはどうでも良かった。


「いいね!!トトマ君ッ!!!流石勇者様!!やっぱり楽しませてくれるッ!!!」


 観客の誰もがトトマの不気味な様子に驚く中、一方でストームはそのトトマに感激し、同時にようやく彼のやる気に火が付いた。


「いやー、俺さ、トトマ君よりも年配だからさ先輩ぽくしようって思ってたけどさ、もう無理だわ!!うん、無理無理!面倒くさいわ!!!だからこれからは全力でいくよ!!!本気で君を殺しにいくからね!!」


 そう言い放つと眼の色が急に変わり、表情も獲物を狙う獣のような楽しくも狂喜なものになると、ストームは詠唱をしながらトトマへと突っ走る。それを見て、トトマも再び剣を強く握りしめ中段に構える。


「『突風スコール』!!」


 ストームの唱えた魔法は威力はそこそこであったが、細く速くトトマへと襲い掛かる。だがトトマはそれに一切臆することなく、彼は叫んで剣を振るう。


「喰らえッ!『深淵纏衣之魂喰ソウルイーター』ッ!!!」


 トトマがその剣の名前を呼んだ次の瞬間、剣の模様かと思われたその“眼”はカッと見開き獲物を補足すると、トトマの振りに合わせて剣の模様かと思われたその“口”は大きく開いてストームの魔法を飲み込んだ。


「ま、魔法が!?!?」


 魔法が剣によって消されるという今までに見たことも聞いたこともない光景を目の当たりにし嬉し驚きなストームに対し、至って冷静なトトマは再度剣を構えなおして技を放つ。


「『ブレイブ・スラッシュ・ゲイル』!!!」


 自分の魔法が無効化された上に、魔法でもないのに属性がある技を見て、ストームの顔は再び綻ぶ。楽しくて楽しくてしょうがないといった様子で彼はトトマの技を躱すと振り向きざまに高速詠唱からの高速の魔法を打つ。


「『刺突刃ウインド・カッター』!!」


 あまりの速さに発現から攻撃まで一瞬にしか見えなかったが、トトマはそれを手にした不気味な剣で振り払うとやはり魔法は跡形もなく消え去った。何度ストームが魔法を放ってもトトマの剣は魔法を喰らい続け、その度にトトマは飛翔する斬撃を放つ。


 そんな高速の応酬が続く中、ストームはひらりと宙を舞うと再び距離を置いた。


「やるね、やるね!トトマ君!!君は本当にわけが分からなくて、最高だよ!!」


「ありがとうございます」


 戦うごとに生き生きとした表情になるストームに対してトトマはボロボロの体でお礼を言った。だがしかし、2人の高速の戦いには終わりが来ようとしていた。ストームは魔力の限界、トトマは体力の限界であり、残すところあと一、二撃といった様子である。


「ごめん、トトマ君。正直君のことは冴えない勇者だと思っていたよ」


 性格故かバサッと酷なことを言ったストームであるが、彼がそう言ったということは彼の中でトトマの評価が変わった証拠でもあった。もうトトマは“冴えない勇者”などではなく、“本気を出さないと倒せない相手”にストームの頭の中では切り替わっており、以前までの余裕の表情はもうなかった。


「だから、次は全力全霊でいかせてもらう。俺の本気を全部ぶつけるからトトマ君も受けきれるものなら受けきってみなよ!!」


「・・・いえ」


 興奮し、テンションが最高潮にまで達したストームに対し、トトマは至って冷静に答えると再び剣を大きく構えなおした。


「次は受けません。今度は僕からも攻めさせていただきますッ!!!」


(へぇー!!まだその先があるんだね、トトマ君!!あー、君は本当に面白い!!)


 トトマのその強気な発言にストームは嬉しくなると全身のマナを込めて詠唱を始めた。先程のは決して手を抜いたわけではないが、でもそれよりも上を目指して最高を目指して魔法を一つ一つ構成していく。


 一方でトトマは冷静なままで、一度大きく剣を振ると彼の剣『深淵纏衣之魂喰ソウルイーター』と心を通わせる。


(ソウル、一番強いのはいける?)


『あぁ、勿論さ。俺を誰だと思っていやがる。だが今のお前の体なら一撃が限度だからな、それ以上やったらお前が死ぬぜ』


(忠告ありがとう。一撃あれば十分)


「・・・いくよ、ソウル!!解き放てッ!『深淵纏衣アビス』!!」


「「「!?」」」


 そして、トトマが叫ぶと手にした不気味な剣から禍々しく見ているだけでも身の毛がよだつ黒い何かが湧き出ると、それは剣を手にしたトトマの右半身を飲み込み彼に纏わりつく。その異様な光景に観客席がどよめく中、ただ詠唱を終えたストームだけはワクワクとしていた。


 一体トトマがこれから何をするのかはストームには知る由もなかったが、まだ見ぬものと対峙する程に彼にとって楽しいものはなく、彼はその気持ちいっぱいで全力の魔法を放つ。


「『天地創造の螺旋スパイラル・ジェネシス』!!!」


 それはトトマに止めを刺すはずであった魔法であり、今度は手加減なしのストームに残ったマナをほとんど使って作り出した文句なしの最高傑作であった。荒れ狂う嵐は最早ボロボロになった闘技場など相手にせずに、ただ一直線に勢いそのままにトトマへと向かう。


「『ブレイブ・スラッシュ・カオス』!!」


 一方で、そのストームの誇る特大かつ最強の魔法を前にして、トトマは黒を纏った剣を振り下ろす。その瞬間、剣に纏わり付いていた黒い何かは大きく形を変えて黒き刃となると、迫り来るその荒れ狂う嵐をものともせずに切り裂いて進み、その向こうにいたストームの体をまさに一刀両断し、ストームが気が付く頃には彼の体は光となって消えていた。


「か・・・、勝った・・・のかな?・・・あれ?」


 だが、トトマもその勝利の余韻に浸ることなくその場へと崩れ落ち、彼の体もまた光となってストームの後を追った。


 闘技場は二人の激闘の末ほぼ半壊状態であり、カキコはこの試合が本日最後の試合で良かったと安堵しつつも、審査員から出た報告を基にこの戦いの勝者の名前を叫んだ。勿論、それがここにはいない彼の耳に届くことはないが、こうしてトトマは遂に明日ロイスとの戦いに挑むこととなった。


 果たして、新たな力を得た『魔獣の勇者』と天の才を持った『王国の勇者』のどちらが勝つのか、それは神々でする知る由もない。

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