第7話 貴様のチ〇コは狙われている!

             あらすじ


 レシュトリアという少女に股間を掴まれ、動けない俺だったが、そんな俺の元にフレデリッサが現れた。

 俺とレシュトリアの会話を聞いていたフレデリッサは、ちょっとばかり怒っている。

 二人が一触即発の状態となってしまい、戦いが始まる直前に二人の前に立ちはだかった。

 だがその瞬間、レシュトリアからの攻撃が発射されたのだ。

 口から発射された光線は、俺の顔の横を通り、研究所の一部を爆破して、空に消えて行った。

 その攻撃力にビビった俺とフレデリッサは、話し合おうとしてみるのだが、何故か俺のチ〇コを狙っているという。

 勝てないと悟った俺達はレシュトリアから逃げ出した。

 俺達を追って来るレシュトリアは、辺り一帯に攻撃をまき散らし、色々な物を破壊する。

 そんな状況が続くと、怖い兵士達に取り囲まれ、べノム隊長の一撃により、地面に倒れこんだ…………


バール   (王国の兵士) レシュトリア(バールの娘と名乗る少女)

フレデリッサ(バールの恋人)べノム   (王国の兵士)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 周りに倒れた兵士達は、まだ無事であった兵士に連れられて療養所にまで運ばれて行く。

 俺達はべノム隊長に連行され、研究所の地下部分にある隔離された広い空間にまで連れて行かれた。


 ここなら、ある程度の衝撃や攻撃は、弾き飛ばせるぐらいに頑丈に作られている。

 また町を壊されない為の処置だろう。

 施設を破壊したり、人を傷つけたレシュトリアは、ロープで縛られてグルグル巻きにされている。


「よしバール。じゃあキッチリ話してもらおうじゃねぇか。このガキは一体どこのガキなんだ? 本当にお前の子供なのか?」


「いやぁ何というか、身に覚えはあるんですが、誰の子供かはサッパリですね。少なくとも王国に居る女性達には子供は居ないと思います。この子が勘違いしているのかもしれません。女性達にも、今でも何度か会ったりしてますからああ”あ”あ”あ”あ”!」


 正直に告白したというのに、フレデリッサは俺の背中を何度も踏みつけて来る。

 意外と愛されてるなぁと感じながらも、痛いからやめてもらいたい。


「それはつまり私に内緒で誰かと会っていたんですわね? あれだけ他の女に目が行かない様にと教育して来たのに、もう一度教育し直しですわね!」


「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 容赦なくガシガシと踏みつけるフレデリッサを、べノム隊長が止めてくれた。


「おい待て、今はこの馬鹿に聞きたい事があるんだ。あとでなら煮ようが焼こうが好きにしてくれりゃあいいが、今はちょっと待て」


「フン、ま、いいでしょう。私もそれなりに気にはなりますから、もうこの男が暴走していないのかとかね」


 記憶が無いと思っていたが、俺はもしかして暴走していたのか?

 だから俺は牢に入れられていた訳か…………


 これまでも暴走した人間は居たけど、まさか俺がなるとはなぁ。

 それもたぶんあの婆さんの薬が原因なんだろう。


 老人だからと言って許さん。

 あの婆さんが何処の誰だか知らないが、孫でも紹介して貰わないと割に合わん。

 

「で、お前はもう暴走していないんだよな? ちゃんと自分の意識はあるんだろうな?」


「勿論ですよ隊長、俺が今暴走している様に見えますか? 俺の体にはもう何の問題もありませんよ」


「ほう、じゃあお前はどんな男だ? 自分で答えてみろ。暴走していないのなら言えるだろ?」


 隊長は俺を試そうと言うのか。

 暴走していないと示す為に、ちゃんと答えなければ。


「俺は王国の伝令役で、色々な場所へ、伝言や手紙を届けるのが役目です。女性からはモテモテで、俺を愛する女性は山ほど居ます。王国の女性殆じょせいほとんどは、俺の顔を見るだけでキャーキャー言ってしまうから意外と大変なんですよね。ここにいるフレデリッサも俺には惚れていて、たぶんきっと俺の心配をして、何度も牢に顔を見に来たはずです!」


「言いたい事はそれだけですか! この馬鹿男め! 誰が誰に惚れているですって?! もう一度言ってご覧なさい!」


「だから、フレデリッサは俺に惚れているんだろ? 大丈夫、隠さなくてももう知っているからあ”あ”あ”あ”あ”あ”!」 


「ふっ…………死になさい!」


 フレデリッサは照れながら、俺の体を踏み続けている。

 モテる男というのも大変なのである。 


「どうやらまだ、とち狂っているらしいが、色ボケ方面なら別に問題無いだろう。てことはだ。あとはこのガキの事だけだな。流石にあそこまでされたら無罪とはいかねぇからな」


「ええ?! まさかそんな小さな子に酷い事するんですか?! 俺の子だって言ってたし、なるべくなら助けて欲しいんですが」


「安心しろ、だから親のお前に責任を取って貰うことにした。まあ頑張れよ、お前ならたぶん死ぬ様な事はないだろう」


「待ってください! まだ俺が親だと決まった訳ではないんですけど!」


「だったら本人に聞いてみるか、お前の母親は誰なんだってな」


 俺は気絶して大人しくなっているレシュトリアを見るのだが、今その少女の体は、途轍とてつもない勢いで成長している。

 手足や体つきも十代後半ぐらいにまでは変わり、伸びた髪は足元にも届く程になっている。


 縛っていたロープはギチギチになって、かなり痛そうである。

 普通の人間は眠ったからといって、そんなに早く成長なんてしない。

 キメラ化した子供が、そんな事になったと聞いた事はないし、絶対にあり得ない。


 それだけならまだ人なのかと疑えるレベルだが、彼女が来ている服装までもが変わっているのだ。

 飾りっ気のなかった服装は、黄色と白のドレスに代わっている。

 俺の子供じゃなかったら抱いても良いレベルである。


 この子が人間じゃないとすれば、一つだけ例外がある。

 それは人とキメラとのハーフだ。


 王国の南にある集落には、ウェアウルフと呼ばれる種族が住んで居たりする。

 彼等は女の個体が存在せず、人の女性に生殖するというおかしな特性を持っていたが、そのウェアウルフ族の幼体は、人ではあり得ない程の成長速度をみせたとか。


 もしかしたらこのレシュトリアも、そんな種族なのかもしれない。

 そして俺は、記憶の限りは、そんな相手とやった事なんて無い!

 いや、もしかしたら暴走した時に…………?

 

 因みに今はその問題も解決されて、南の集落で普通に暮らしている。

 そのレシュトリアは、俺達が近づく前にカッと目を覚まし、縛っていたロープを引き千切ってしまう。


「おはようパパ、気持ちの良い朝よね? あら、もう一人増えたのね? じゃあそいつのチ〇コも連れて行ってあげるから、さっさとチ〇コを出しなさい!」


「おい、何言ってんだこの痴女は! テメェの娘ならしっかり教育しとけ!」 


「いや、本当に娘だとしても、今日会ったばかりですから…………」


「ねぇバール、それでこの子を如何するつもりなのでしょうか? まさか連れ帰るとは言いませんわよね?」


「例え彼女が本当に俺の娘だったとしても、俺の大事なチ〇コを斬り飛ばそうとする奴を近くに置くつもりはない!」


 レシュトリアが棍のような先端が何だか見た事がある形状の棒を取り出し、俺達の前にそれを構えた。

 形状はまあ、男のアレだ。


「パパ? 私を拒否するのね? じゃあ、無理やりにでも、引き千切ってあげるわああああああああああ!」


 一体何故そんなにもチ〇コにこだわるのか!

 兎に角彼女との戦いが始まった。

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