第2話 性春エロゲ野郎はメリーガール聖女に課金する夢を見ない
なんだこのアイコン?
【リボンをほどく "¥10"】
は? 服脱がせるのに"課金"しなきゃなんねーの?
リボンをタッチした。
聖女のリボンは、魔法がかかったように自ら解けていく。
リボンが外れると、次はブラウスにとりかかる。
【ボタンを外す "1つ¥30"】
また課金かよ……。
ボタンは全部で5つ。
つまり、かける30円で150円。
まぁ、150円ぐらいなら……。
1つ1つのボタンをタッチしていくと、ブラウスは徐々に前を開けていった。
開かれたブラウスから現になったのは、なんと天使のようなブラが顔をだした。
【天使のようなブラ "¥50"】
はい、はい、はい。
来ると思ってたよ。
俺はさっそく、ブラをタッチした。
これで、自分が思い描くエロシーンが拝めると高をくくっていたが、このエロゲは一筋縄でいかなかった。
画面の中の彼女は両腕を胸元で組み、外れかかったブラをガードした。
『ダメ……恥ずかしいよ』
ぬ……脱がないだと?
ならもう一回。
『ヤ、ヤダぁ〜』
まだ脱がないのか?
何だよ、この演出?
まだ押せってのか?
『イ、イク三郎の前でそんなことできない……』
面倒くせぇぇえええ!!
【つべこべ言わず脱げ!】
ダダダダダダダダダダダダダダダダぁぁぁあああー!!
この時の俺は知らなかった。
ただただ、欲望に指を任せ押し続けたことで、なんと1秒間に16連打するあの高橋名人を越えていたことを……。
もう俺は、この虚構の聖女の虜。
言うなれば、愛のプリズン。
気づいたら俺は17連打を5回、4520 円も課金をしていた。
だが、その価値はあった。
あらわになったのは、マシュマロのようにふっくらしたメスの胸。
そして、たわわな胸の先端には、開花したばかりの桜を思わせる、ピンクの乳輪が顔を出した。
イイ……イイ〜、最高だよ!
俺の胸と股間が熱くなり、よろ乳首と挨拶したくなる。
いっそ挨拶してしまおう。
「よろ乳首……」
……恥ずかしい。
いや、まだだ。
まだ終わってない……俺の指は、タッチパネルを舐めるように下へズラした。
【スカートをめくる "¥80"】
『そこはイヤ……恥ずかしい』
俺の
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダぁぁぁあああー!!
うへへへ〜、どぉだぁ〜?
もう次はないぞ〜
さぁ、俺が君を……ビッチにしてやるぜ!
『そ、そこはホントにダメだよ〜』
【パンツを脱がす "¥100"】
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダオワタァァァアアアー!!!
もう病みつき、俺のピンクな脳はゲシュタルト崩壊寸前!
エロチャートもさることながら、このゲーム、ストーリーも凝っている。
中盤、魔王軍団との戦いの虚しさから、ヒロインが闇落ちする。
聖女メリー・クリトリスは叫ぶ。
『もう、こんな争いの世界はイヤ!』
彼女は闇のオーラに飲み込まれた。
メ、メリー!? どうしたんだ!?
闇のオーラに姿を変えた彼女に、清楚は一切ない。
童貞を殺す服から一転、黒くレザーの光沢を放つボンテージをまとっていた。
これはこれで童貞を殺す服なのだが……。
悪女メリー・クリトリス・オルタは、ムチで攻撃した。
や、やめろメリー!
『私は、もう、あなたと平和に暮らしていた私じゃない!』
ムチの猛攻撃に思わず反撃。
俺は画面をスライドさせ、一太刀あびせる。
やめるんだメリー!
『きゃあ!?』
ボンテージの胸がはだけ、たわわな白い胸が弾むように現れる。
ウ、ウソだ……これがメリーの胸?
驚いたのは、あの桜のように綺麗なピンクの乳首は、光すら吸収してしまうほどのドス黒い、"黒乳首"に成り果てたことだ。
まさに"黒い乳首の誕生"
闇落ちした彼女は言う。
『世界を消してしまえば、争いなんて、もう起きない……こんな世界、私が終わらせるわ……』
メリィィィイイイ! 俺が君を闇から救い出してやるぅ!!
今では桜色の乳首も、遠い日に感じる。
俺は聖女だった彼女との思い出を、胸と股間に抱きつつ、ひたすら彼女の黒乳首を連打した。
ダダダダダダダダダダダダダダダダぁぁぁあああー!!
そんなこんなで、Reエロゲから始まる異世界生活が続いて、早1ヶ月。
課金した額は10万円に達していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます