10 銘刀の名は
道場の再生と今後の幸せを祈ってごちそうが振舞われた。いつだかのお祝い事と同じくお寿司の出前を取ることにしたのだ。
「私までご馳走になっていいのでしょうか?」
「もちろん。店長も門下生の一人です」と不安げな癒月に菖瞳は念を押した。
「私、剣なんて…。動きだってのろまだし…」
「そうは見えなかったな。箒の捌き方だって様になっていたし」と高岡が口を挟めてきた。
「剣道ではなく、華道教室開いてくださいよ。道場が安く提供しますから」と洸は勝手に話を進めていた。経営にかかわる気でいるようだった。
「蘭さんの生け花素敵です。部屋の隅に置いておくだけはもったいないですよ」と杏希も楽しそうにした。
「そんな、そんな。教えるなんて、考えたこともありません」と大げさに手を振って拒んだ。
「あれだけすごいお花を生けられるのだから、生徒さんを持つべきですよ」と杏希がお酌しようとした。
「え?いや。滅相も」と癒月は体を反らして謙遜をやめない。褒められ下手というものなのか、拒絶がすごい。勢いあまって伸ばした腕が高岡の肩にぶつかった。
高岡の肩にぶつかったことを謝るために体の向きを変え頭を何度も下げるのだが、高岡は過剰反応する癒月の肩に手を置いた。勢いよく上がってきた癒月の頭が高岡のあごに当たり、衝撃でテーブルが少し音を立てて弾いた。ちょうどそのころこぼしてしまったお酒を拭こうとテーブル布巾を取るために身を乗り出していた杏希の手元に麦茶のボトルがあり、衝撃に呼応して腕がボトルに触れる。勢いよく倒れるボトルになすすべなくテーブル上は水浸し。これはまずいと杏希と癒月が同時に反応し、頭をぶつけあう。
以上がドジ二人が絡んだ、小さな事件だった。
いつだかの騒がしい宴会のようだったが、嫌な気はしなかった。むしろ楽しくて幸せな気分が込み上げてくる。
菖瞳はそう感じながら、テーブル布巾で小さな事件の後処理を率先して行っていた。
「ねえ、お父さんに合わせてよ」と作業をする菖瞳の背中をつついて、洸がぼそっとつぶやいた。
ブラックジョークではないかと呆れて洸を見返したが、そうではなかった。
「手を合わせたいんだ」と洸は照れたように話した。
「すごいね。由緒ある和室って感じ」
洸は仏間の中心で部屋の隅から隅を見回した。
「うちにはこんな先祖の写真を掛けるような空間はないからすごい新鮮」
「夜はちょっと怖いけどね」
菖瞳は仏壇にろうそくを接げ、マッチで火を灯した。それから静かな所作でお線香をあげて昨日今日とあった出来事を思い返しながら報告を念じた。天国の父に届いてほしいという思いと兄の回復を祈るのがいつもの習慣である。
合掌を終えた菖瞳は洸に席を譲った。
洸はおぼつかない手つきでお線香をあげたのだが、合唱姿はきれいで様になっていた。
「本日はお招きありがとうございました」と合掌を終えた洸は菖瞳に体を向けて頭を下げた。
いつになくかしこまった彼女に菖瞳も礼儀を欠くことなく頭を下げた。
「お父さんの指導うけたかったな~」と膝を崩した洸が言った。
「私も思った。もし洸がうちに通っていたらって。きっとお父さんに気に入ってもらえたかもしれない」
「どうかな?結構私って小中って勝手気ままな性格だったから、目の上のたん瘤だったかもよ。菖瞳に悪影響与えるんじゃないかってひやひやしていたりして」
「小中に限ったこと?今は?」
「ひっど~い」
冗談めかした洸のツッコミで二人は笑いあった。
ひとしきり笑い合った後、洸はあることを口にした。
「それにしても見事なお宝だよね。高価そうなツボや木彫りのフクロウ。それにこれって刀を置く台かな?」
洸は膝を床に引きずったまま床の間に向かった。興味深そうに一つ一つを決して触れないように注意しながら眺めていた。
「そう。見てわからない?」
「現物を見るのは初めてだから、これがそうなんだって思って。実際に刀がかかっていたらもっと立派に見えるんだろうな~」
何気ない洸の感想に菖瞳はこれまた何かの冗談だと思った。
「何言っているの?刀ならかかっているじゃない?」
「え?いやいや、台だけでしょう?」
「本気で言ってるの?確かに上の段はないけどさ、もう一本はかかっているじゃない」
「分かった。私をからかっているんでしょう。見えてるふりしてだまそうと。上も下もどこにもそんな刀なんて無いんでしょう?」
「洸こそ。本当は見えているんでしょ?黒っぽい刀が」
菖瞳の目に移る黒と緑の柄と黒の鞘は何度見ても立派に台にかかって、その存在感を発揮している。
「ウソ?そこまで言うなら手に取ってみてよ」
「でも、家の物だし…わかったって」
ジト目で疑い続ける洸を見返すべく菖瞳はゆっくりとその柄に手を伸ばした。長年そこにあり続け、見ているだけだった装飾品を初めて刀として意識して手にしたのである。
柄を握りしめた瞬間、刀が語りかけてくるような不思議な感覚を受けた。
菖瞳はその語りかけに答えるようにして鞘をつかみ上げ刀の全身を引き受けた。手先から腕にかけて血管が脈打ち刀へと注ぎ込まれる感覚がした。
初めての押し寄せる感覚に菖瞳は思わず落としてしまった。
ガタッという大きな音に洸は反射的に飛び跳ねた。
「何々?何の音」
菖瞳の足元を見ても洸の目には何も見えていない。
「びっくりして落としちゃった」
そういうと菖瞳は何食わぬ素振りで腰をかがめ何もないはずの空気をつかむ仕草をするのだった。さらに落とした表面に傷がないか気にするかような確認作業まで余念がない。外から見ても彼女はパントマイムをしているようにしか見えない。そこに棒状の何かをつかんでいる演技にしか見えないのだ。
「本当にそこに刀があるの?」
「見てよ。持ってるでしょう?」
差し出している菖瞳の手には当然ながら何もない。
洸は恐る恐る手のあたりに目を凝らしてみたり、覗き込んで見たりするのだが、圧迫するような白い手のひらしか見えない。
「触れるのかな?ちょっといい?」
菖瞳が頷くのを確認してから洸は菖瞳の手のあたりを触ってみた。だが、やはり何もなく菖瞳の手に触れるのだ。
「どういうこと?」と最初に驚いていたのは菖瞳の方だった。
「やっぱり何もないけど」
洸は訳が分からず顔を見つめた。
「今、洸の手が刀をすり抜けたのわかんないの?」と菖瞳は自分の手を確かめるようにして何度も手元を見返していた。
腕を組んでいた洸はある推理を立てた。
「菖瞳にしか見えてなくて、触れないってことは、それも妖刀じゃないのかな?私には見えていないからハッキリと断言できないけど、気を削ぐ刀や傷を残さない刀があるってことは、それも妖刀の類だと考えてみてもいいかもね」
「これが妖刀?って本当に見えてない?冗談抜きで。わたしをだまそうという魂胆は?」
「昨日信用してくれると言ったのは誰だっけ?」
「それは…そうだけど…」
「いいわ。正直私の方が騙されているという仮説がまだ未解決だから、ここで実験してみない?」と洸は一拍手を打って提案した。
「他のみんなの前で振ってみる。もし見えているのなら怒られるだろうし、見えていなかったら何やってるのってなるでしょう?」
「それってどっち道、私は変な人にならない?突然刀を振り回すんだよ。酔っ払いの悪ふざけにならない?」
菖瞳の意見に洸はにやりと顔を歪ませた。
騒ぎはしないが、賑々しい宴会は依然と続いていた。兄を含めた5人は世間話やこれからの計画建ての話で盛り上がっているのだった。
そんな中、菖瞳は突然
「何しているのよ、菖瞳。楽しむのはいいけど、座って食事なさい」と案の定、母からの注意がかけられた。
菖瞳は顔を真っ赤にしながらも素振りをやめない。
「楽しみなのはわかったから、部屋ではあまり動き回らない。埃が飛んでお客様に迷惑でしょう」
聞き分けの悪い娘に母の注意が続いたのだが、菖瞳はその素振りをやめないのだ。顔を赤らめて目には心なしか光るものが見える。
「まあまあ、お母様。菖瞳ちゃんのあの足腰の捌き方、修行のたまものというものですよ。あれは言ってみればこちらのお宅の家宝。そう怒らなくても」と高岡が母を諫めた。
「あれで剣を持ったらさぞかしすごいんでしょうね」と癒月も擁護に回った。
「でもどうしたの急に。普段の菖瞳ちゃんじゃないみたい。あんなに顔を真っ赤にさせて。嫌なことでもあったの?」と杏希も菖瞳の突飛な行動に戸惑っているみたいだった。
一心不乱に無を振り回す菖瞳はまさに
肝心の刀はすぐ足の下に転がっていて、見る者には見えるはずの十分な位置のはずだった。
菖瞳は顔を真っ赤にさせて素振りをやめない。
(約束と違う)と洸を見ても、彼女は食べ物に夢中になって打ち合わせのフォローをすっかり忘れている。
いつしかみんなから相手にしてもらえなくなり、滑ってもなおボケ続ける芸人の気持ちが分かった気がした。ツッコミ待ちにしびれを切らし、とうとう菖瞳はあきらめた。このままやっても終わりどころが見つからな。
「ああ、そうか」と洸が慌ててフォローに回った。
「菖瞳、さてはあれだけ気を付けるように言ったのに、水だと思ってお酒飲んだな~」
女優志望としては赤点レベルの演技だったが、だれもが「ああそうか」と合点がいったのか、菖瞳を優しい目で見つめていた。
「遅い!もういい」と菖瞳は刀を手に取った。
面倒なプランより、もっと単純で率直に証明する方法がある。
菖瞳は刀を鞘から抜いた。初めて目にする本物の刃に不思議な高揚感が湧いてくる。
剥きみでた刃は蛍光灯のもとまぶしく輝いていた。黒の鞘とは対照的に美しく透明感のある姿に息をのんで見てしまう。
「どうかしたの?」と杏希が声をかけてきた。
「これが見えます?」
「何々?何のこと?」
杏希は興味を取り戻したように菖瞳のこれというものを探ってみた。菖瞳の目線の先は蛍光灯以外何も見当たらない。強いて見られるのは光の発する線ぐらいだろう。
「なんかあるの?」
「あるかもしれないし、ないかもしれない。わたしには見える、とっても美しい姿」
杏希はそれ以上何も聞かなかった。菖瞳を酔っぱらった痛い子だと捉えていたかもしれない。杏希は興味を失ったように兄の世話を始めた。
確信を持った菖瞳は刃を鞘に納め、おもむろに台所に向かった。コップ一杯の水を飲みほし、冷蔵庫を漁り始めた。
「どうしたの今度は?」と母が心配になってやってきた。
「大根ある?きゅうりでもいいや」
「きゅうりならあるけど、食べたくなった?」
数日後、富雪おばさんが久しぶりに家に顔を出した。というのも、菖瞳の記憶によぎる会話。その真意を確認したかったのだ。
電話でその話を聞こうとしたところ、直接会って話したいというのが彼女の要請だった。
「懐かしいわ」と富雪はよみがえった道場を見て感激していた。
考えてみればここは彼女が過ごした生家でもある。懐かしむ気持ちは当然のことだろう。
「二週間後からここで高岡さんの授業が始まるんですよ。それに日曜日は華道教室も開かれるんです」
「うれしいわ。この家はもともと地域の人に剣術を教えるために開放されていた場所だから、この道場も喜ぶでしょうね」
ひとしきり眺めた後、居間の雪虎の様子をみた後、二人は仏間へと足を移した。
「お兄ちゃんの症状ってやっぱり」
「どうかな?あの刀の力が発揮したところを見たのは10年以上も前の事件のみだったし、あの時は一日も経たないうちにみんな気を取り戻したから、実質、雪虎君のような姿は初めて見るから…」
「その事件があった時、お父さんはどうやって呪いを解いたか聞いてますか?」
「それが、わからないのよ。あの夜、兄さんは決心して出て行ったっきり、どこで何をしていたか教えてくれなかったわ」
父と兄は変なところが似ていたのかもしれない。何があったかを身内にぐらい話しても良いはずなのに二人とも大切なところは何も教えてくれなかったということだ。
「じゃあ、事件を引き起こした張本人はどうなったか聞いてますか?」
「まったく聞いていないわね。本当に向こうの一族とは折り合いが悪いから誰がどうなっているとかの連絡は一切取らないのよ」
「連絡先は?」
「一応住所ぐらいは探せば出るだろうけど、接触は避けるべきね。あの人たちに関わっていいことなんて、まったくないんだから」
富雪は6年前と変わらぬ嫌悪感を抱いていることが表情から読み取れた。
「ところで本題だけど、今になって目のことを聞いたのはなぜ?」
富雪の問いかけに菖瞳は立ち上がると床の間に向かったまま話し始めた。
「おばさんはうちの家宝のことどれぐらい知っていますか?」
「もちろんお父さん、つまりあなたのおじいさんから聞いているわ。家にある数本の銘刀のことについて」
「その日本刀いうのはつまり…ここにない『白星十文字』と『疾病木枯らし』ですよね」
「そうよ」
菖瞳は振り返ると握りこぶしをまっすぐと下に振り落とした。すると彼女の動きに同調するかのように不思議と床がゴツンと音を立てた。
富雪の目にはまるで手品のように音が鳴ったように見えるのだが、菖瞳には違う。実は富雪を家に向かい入れてからずっと『あの刀』を手に持っていたのだった。
「本当にうちの家宝はその2本だけなのですか?」
音に驚き身を引かせていた富雪は姿勢を正すと顔を見上げた。その顔つきは神妙なものであり、ためらいがちに問うた。
「つまり菖瞳ちゃんには何かが見えているということね?そしてそれが刀だと」
「やはりおばさんは何か知っているんですね」
菖瞳は急いで膝を落として顔を突き合わせた。
「ちなみにだれかにこのことは?」
「刀が見えるという話はその場にいた友達の反応で気が付きました」
「そう。その子の口は堅い?」
「忠告したら守ってくれると思います」
「それならいいけど、これは代々一族が守ってきた秘密。身内同士でも容易に口外できないことだと思ってちょうだい。だからあえて聞くけど、そこにあるのね?」
菖瞳は頷いた。
「その刀は嶺橋家の本命。他の刀はあくまでも付属品、カモフラージュといってもいいかしら」
「話には聞いていた二本の銘刀を上回るということですね」
「そう。『白星十文字』と『疾病木枯らし』はあくまでも当時の贈答品。だけどその刀こそは嶺橋家が代々受け継いできた本物の家宝。さらにいえば一族でも確認や所持ができるのは限られた血筋にしか現れないとされているらしく、ひと世代に一人というのが原則らしい」
「ではお父さんは?」
「もちろん見えていた。そして菖瞳ちゃんが見えているということは雪虎君には見えていないでしょうね」
不思議な話に菖瞳は思わず手元の刀を見返した。
「本当に見えていないんですよね。それに触れることもできないとか…」
「ええ、刀を出してみて」
菖瞳は指示のままに刀を支えて突き出してみた。そこに富雪が手をかざす。だが、何度手元を往復させてみても触れるどころか、すり抜けてしまうのだ。
「この前、試しにきゅうりをつるして切ってみたんです」
と言うのも刀を見つけたその日の真夜中、菖瞳は道場で一人、刀を振るってみたのだ。
冷蔵庫から拝借したきゅうりを紐でつるし、刀を一思いに振り切った。きゅうりは真ん中できれいに切断され、切り落とされた下半分は垂直に垂れ下がる紐の真下に落ちた。
そこである疑問浮かんだ。
「触れることのできない刀がどうやってきゅうりを切ったのでしょうか。刀は本当に実在しているのでしょうか?」
「原理は分からないけど、昔、父に聞いたことがある。その刀は想像上の産物で目を受け継ぐ者しか扱うことができないって。剣を振るという体の動き、身に付いたイメージをもってその刀を振るからこそ、刀は刀であり続け、そこに存在することができる。とかなんとか。だから、菖瞳ちゃんはその刀を振れば、刃先に触れたものは切れるだろうし、他の人が触れようとしたとしても、それは刀ではなく創造物にすぎないから、触れることはできないのだと思う」
富雪おばさんの話は分かりずらいが、感覚としての言いたいことはわかる。
刀として振ることでものにぶつかり、ツボなんかは割れるだろう。それに床を突いた時に音を立てるのは、自分自身がそれを無意識に刀だと認識して床を突いたことによるだろうし、きゅうりが切れたことはまさに刀の本分というものだ。
「嶺橋家に代々受け継ぐ妖刀その名も『漆黒不現刀』通称『アラズ』とはまさにその通りの名前だと思う」
「漆黒不現刀。アラズ…」
聞かされるその名に菖瞳は親しみを持った。アラズは呼応するかのようにカタカタと震え、その感覚が肌を通り越し血管まで伝わるのだ。
「あるのにない。その刀は自ら存在の矛盾に向き合っている。だからこそ、あまり他人に知られてはいけない。存在を多くの他人に認識されてしまうと刀が自らその矛盾に悟り、姿を消してしまうと言われるそうよ」
「だから内緒なんですね」
なんだか急にアラズが恥ずかしがり屋だと思うとかわいらしく思えてしまう。
「それと、その刀は一族の争いの種になってきた。さっきも言ったけど、向こうの一族には決して『漆黒不現刀』がここに有ることを知られてはいけない。それだけは肝に銘じることです」
「わかりました」
菖瞳は一つの返事とともにアラズを大事に抱えて、それを元のあった刀掛けの台の下段に戻した。
「まさかずっとそこにあったの?」と菖瞳の手元を見ていた富雪が聞いた。
「多分ですけど。はい。一番古い記憶でもその刀はそこにあったと思います」
「さすが兄さん」というと富雪は遺影の父を眺めて手を合わせたのだった。
父と叔母、二人にしかわからない事情があったのだと、菖瞳はしみじみと感じつつ富雪を仏間に一人残し部屋を後にした。
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