第4話  承は下書きで

前話までに決まったことから出発して、最終的にできたプロットが以下になります。


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「メル・アイヴィーの黒チョーカー」プロット

舞台:魔女の館


登場人物A:メル・アイヴィー(主人公。少女の魂を解き放つ歌声を持っている。物語開始時点で記憶が抜き取られている。)


登場人物B:少女(魔女の娘。既に死んでいるが、魔女によって魂をこの世に無理矢理繋ぎ止められ、苦しんでいる)


登場人物C:魔女(少女の母親。苦しむ娘を解放するためにメルを呼ぶが、怖くなって彼女の歌と記憶を抜き取ってしまう)


ストーリー

起:目覚めたメル。少女と出会い、記憶を魔女に取られたと知る。

承:メルと少女との交流。

転:謎を明かす。

結:少女と別れ、魔女の館から出て行く。

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ここから先の執筆過程は、書く人によって千差万別だと思うのですが、自分の場合、手で紙に下書きをぶわーっと書きます。(いきなりキーボードに手を添えると、100数個のキーに思考が限定されて自由に書けなくなってしまうから)


承パートの下書きにこんな記録がありました。


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【記憶と歌声を獲られ、落ち込むメル】

「記憶ならここで作ればいいよ。歌はだめかもしれないけど、楽器なら(←交流を深める方法)」

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これは「メル・アイヴィーの黒チョーカー」の第二話「最初の連弾」で、少女がメルを元気付ける会話の下書きです。


実は、少女にこの語りをさせて初めて「連弾だ! 連弾させよう!」と思いつきました。(本当です! 信じてください!)


それまで、「何かをしてメルと少女が仲良くなる」というイメージしかなかったのですが、少女に自由気ままに喋ってもらった結果、きれいにピースがはまりました。


個人的に、起承転結で一番難しいのは「承」だと思っています。

「交流を深める」「互いを特別に思うようになる」「いろんな経験を共にする」

言葉にすれば簡単なんですが、ある種一番構造的に詰め難い箇所ですし、プロット段階でここが埋まることは今までありませんでした。(多分これからもないと思います)


今回、下書きで承パートが出来上がっていく過程を鮮明に憶えていられたので、忘れないうちにここに記しておきます。

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