四話 ある生徒の証言

 ……顧問の先生に頼まれたんです。新品の備品を持ってきて欲しいって。そうじゃなきゃ、あんな空き教室わざわざ入りませんよ。早く用事を済ませて戻ろうと思っていたので、少し駆け足気味でした。……入った瞬間、使われていない教室特有の埃っぽさが鼻についたのを覚えています。辺りを見渡すと、目的の物はすぐに見つかりました。持っていこうと駆け寄った時です。棚の上に積まれていた段ボールがいきなり落ちてきて……。腕に少し当たったくらいだから、あんまりケガはしなかったんですけど、自分のタイミングの悪さが嫌になりましたよ。……え? 死神? 何の話ですか? ……。

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