8話

「では遠慮なく」


ランドールが仕掛ける。



ガガンッ!!

さっき《無限の死デス・マーチ》を俺が防いだのをみて、物理攻撃を試したらしい。

だが、俺の身体防御を貫通できない。右手で十分だ。


「防御力はおありなようで」

「まぁ少なくともお前の攻撃を通さないくらいにはな」



このまま前の俺の力を使い続けても難なく勝てるだろうけど……。

折角だからな。《創造》の力も試したいし。


「《創造》ダイナマイト」


本来掘削用に作られたものだが、火薬を利用しているということもあり、武器になりうる。



更に、俺の《創造》は俺のイメージしたものを出すようになっている。

だから既に爆発寸前のダイナマイトを出してみた。


「な!?」


ランドールが急いで身体防御の魔力を高める。



ドォォォォンンン!!!!

洞窟がまるごと吹き飛びそうな威力だ。流石に出しすぎたか?

一応俺が守っておいたのだが、プリュムは綺麗だと思ってるだけみたいだが、シルなんかガチ泣きだ。


「やっぱり一番ヤバイのユウトさんですよー!」


……。なんかすまん。



「はぁっはぁっはぁっ」


息も絶え絶えにランドールが姿を表す。

あ、生きてたか。流石だな。


「な、なんなんですか?そのスキルは。この私が見たことがないようですが……?」


「あ? これは《創造》だ。見たことなくて当たり前だ。俺の特有ユニークだからな」


「特有ですと……?」


お、そろそろ信じるか?


「いや、いかに能力が優れていてもそれが◯◯◯様ということにはならない!」


まだかよ……。そろそろ諦めろよ……。



はぁ。もういい。


「わかったから。証明するって」

「ほう? 先程はしなかったのにですか?」


《創造》を試したかっただけだからな。


「《無限の死》」


ランドールの数倍の強制力を持った俺の魔法がランドールを襲う。



「が、あぁぁーー!」


少々抵抗レジストしたようだが、無駄だ。魔力量が違いすぎる。


「が、あ、……」


ドサッ。

ランドールの体が地に落ちる。



「勝ったんですかー?」


びくびくしながらシルがでてくる。


「そんな怯えなくてもそこに倒れてるだろ?」

「いやーどっちかと言うとユウト様の方が怖いですー」


あ、そっちね。



「パパ、凄い! パパ、強い!」


プリュムは興奮しているようだ。


「ほらお前もこれを見習えって」

「そんなつもりは毛頭ありませんよ……。こんな事態に慣れたくないですもん」


まぁ一理ある。



「お前ら下がってろ。そいつ起こすから」


シルがプリュムを抱えて陰へ隠れる。


「《無限の死》解除」


ランドールがゆっくりと体を起こす。


「どうだ? これでも信じないか?」


《威圧》を込めながら再度きく。


「この魔力、そして私ですら遥か及ばない悪魔系統の魔法……。本当に◯◯◯様なのですか?」



やっとか。


「今はユウトを名乗っている」

「わかりました。ユウト様。大変失礼な真似を致しました」

「いい。それより今のこの世界のことを教えてもらえるか」

「御意」

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