第4話 妊活中に考えていたこと ポジティブ編

 そうはいっても落ち込んでばかりいたわけでもありません。

 落ち込む自分の中にも冷静なもう一人の自分がいて、こんなことを考えていました。


 まず1つ目は、今の自分だから妊活を頑張れるんじゃないか? ということです。

 もし、私が20代で妊娠していたら。どんどん無くなる自由な時間、食事に気を付けなければいけない生活など、変化する生活や体調にきっと私は我慢できなかったと思います。それに、子供が産まれて速攻始まる育児。朝も夜もなく、授乳におむつ替えに泣く子を抱っこしてあやして・・・。睡眠時間も削られて、まして自分の時間なんて持てません。そんな生活に、きっと若い頃の私だったら耐えられなかっただろうと気休めでなく思ってました。今の年齢になったから子供のことを優先して考えられる。育児が始まった今でもそう思います。


 2つ目は、子供を授かれなかったとして、子供のいない生活をどう楽しもうか? ということです。

 毎月落ち込んではいましたが、子供を産むことが幸せの全てではないし、私の人生の全てでもないのです。だから、子供がいないならいないなりの楽しみも考えてました。子供がいなかったら、都内に二人暮らし用のマンションを買って引っ越そう。犬の散歩にちょうどいい川沿いのマンションがいいな。そして年に1回は国内でも海外でも旅行に行こうと、行き先はここにして、何を食べてどこに泊まって・・・。などなど結構具体的に考えました。

 夫もよく言いました。子供がいなければいないでいいよ、2人と犬で楽しく暮らそうと。妊娠できなくて落ち込んでいる時、その言葉をふと思い出しては、そうだよなぁ、それでもいいんだよなぁ。と思えると、沈んだ気持ちが少し上向きになりました。


 さらに私を助けてくれたのは犬とカクヨムです。

 毎日犬と行く散歩の時間が私にとって大切な時間でした。妊活の話なんて友達にも家族にも、誰にも言いづらい話題ですよね。だから犬と一緒に外に出て、散歩中の人と軽く挨拶したり話したりしながら犬と一緒に景色を見ながら体を動かす時間はとても良い気分転換になりました。

 それに、犬も家族です。今飼っている犬は、私達夫婦が望んで迎えた命です。私達にとってはある意味子供みたいな存在です。それがいい気分転換になって、だから妊活も頑張れたと思います。

 そしてカクヨム。私にとって文章を書く、誰かの作品を読む、ということが、妊活から離れて頭を整理するいいきっかけでした。カクヨムに投稿されているたくさんの作品を読んで、ワクワクしたり感動したり。そしてちょうどこの頃地元のいい話コンテストに参加していたので、締切までに作品を書き上げることに必死こいていたので、それもよかったのかもしれません。小説を書きながらふと冷静になって前述のような考え方もできましたしね。


 家に1人、ひたすら妊活のことばかり考えていたらきっと自分はダメになってたと思います。

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