第11話 影
むかしのむかしの物語。それはフィクションなんかじゃなかった。何も残っていないから、事実だと思われていないだけ。
物語の悪役は逃げていた。主人公に追われていて。悪役は悪だった。追われるのは当然だった。でも悪役だって生きたかった。
行き着いた先は今の陰陽学園。そこは逃げた悪役の住み着く場所だった。陰陽学園の周辺の場所は人が住んでいた。そこで悪役は考えた。人たちに自分の魂を授け、主人公を殺してもらおうと。
授けた人が死ねば子に取り付けばいい。子が死ねば孫に取り付けばいい。同じ人だから主人公だって攻められない。これはいい考えだ。悪役たちは人間に取り付け始めた。
そして悪役は人間の影を飲み込んだ。普段は人間の内にいるが好き勝手に出てきては取り込んだ人間を苦しめた。
人が変わったかのように仲間を襲いはじめる取り込まれた人間。己の快楽のためだけに本来の目的も忘れ人達を殺す者もいた。
人達は何が起きたのかわからぬまま、影に殺されるだけだった。人の力とは思えない力で殺された白骨がこの陰陽学園にはたくさん埋まっている。
影は子供、また子供へと受け継がれていき、現代まで影は生き残っている。時代が変わっていくうちに影の能力は少しずつ変わっている。
「その現代の影を持つ者が陰陽研究部の部員なんだ。だからお前...紅生先輩もなにか影があるんでしょう?」
.........僕は...なんなんだろう...。
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