第6話 入部!

「そろそろ戻った方がいいんじゃないんですか?」

「え、でも...」

細川さんは少し笑いながら

「入部届け、今日までですよ」

あ!忘れてた!


「私は先生が来るまでここで待ってますけど白河君は早く行かないと間に合わないですよ。」

細川さんは時計を指差して

「下校時間まであと三十分です。」


もうそんな時間が経ってたんだ。わかった、すぐいくよ。細川さんお大事に!

「はい、ありがとうございます。..............................................嘘ついてごめんね......。」


僕は全速力で保健室から部室へと戻ろうとした。...けど、遠すぎ!さっきは真田先輩がいたからそれについてくだけだったけど、道なんて覚えてないよう...。


えっとここは...え、ここどこ?理科室準備の準備室って書いてある。どんだけ準備するんだ?

ぎゃ!ネズミ!

ぎゃ!ネコ!あれ、このネコ...三毛猫のオスだあああ!待ってーーー!

って何してるんだ。部室に行かなきゃ!


迷子になりながらもなんとかさっきの森にたどり着いた!って部室に行くはずなのになんで森なんだ?とりあえず森の中を歩いてみる。う...ちょっと薄暗くなってる...。


そういえばここら辺ってさっき細川さんを見つけたところだよなあ。森の中なんて区別がつかないんだけど、ここには綺麗な花が咲いてたからなんとなく覚えてるんだ。


あれ、蛇の死体がない!

やっぱりあれは夢だったんだ。よかったー。けれど僕はなんとなくその場にしゃがみ込んで、手と手を合わせて合掌した。夢でも記憶が鮮烈に残っていたから。ただなんとなく、線香をあげてる気分になった。


早く部室に行って入部届けを出しに行かなきゃ。荷物は部室だからね。


薄暗い森を出てからは、薄い記憶を辿ってやっっっと部室についた。森から保健室までは10分ぐらいだったのに僕一人で行くと40分くらいかかったな...。いい加減学校のマップを頭に叩き込まなきゃ。


錆びついた扉をノックして、返事を待つ。真田先輩が入っていいぞと中で言った。失礼します!......あれ、開かない。カチャカチャカチャカチャカチャ。そうだ、コツがいるんだった。僕って記憶力悪いのかなあ。


なんやかんやで扉をオープン!今度は本当に失礼しまーす!


「お、お前が噂の新入部員か!」

「やめなよ、そんながっつくとモテないよ」

「うるせー、おめえみてえなチビには言われたくない」

「あ、白河先輩やっと戻ってきた!」

「誰だ?そいつ?」


扉を開けて早々、うわ!なんか色々言われた!この人たちが陰陽研究部の部員かな。なんかドキドキする。たしか部員って五人だよね。ひぃふぅみぃ...全員揃ってる。


いかにもリーダーみたいな感じで立っていた真田先輩が口を開く。

「白河紅生、お前はこの陰陽研究部に入部するか?」


「入部するとさっきのような残酷なことを見るかもしれない。それでも入部するか?」

僕の答えは決まっていた。





「はい!入部します!」

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