第25話 色気より食い気

「お兄ちゃん」

「どうした?」

「若い女の人が、たくさん下りてきたね」

駅には、若い女性でごったがえしている。


「ああ、出雲大社が目的だからな」

「出雲大社?」

「ああ神社だよ、縁結びの・・・」

「縁結び・・・あっ、そうか話してくれたね」

「思い出したね、かすみ」

「うん」

出雲大社は縁結びの神様。


結婚を夢見る女性が集まる。


10月は神無月と言われ、その名の通り神様がいなくなる。

それは、この出雲大社に集まるため。


そのために、この地区では神在月と呼ばれているが・・・

今は、夏なので、あまり関係ないと思うが・・・


気休めか・・・


「かすみ、行くか、出雲大社」

「ううん、私はいい。他に目的が出来た」

「目的?」

「うん、出雲そば」

「出雲そば?」

確かに名産だが・・・


「結婚の縁結びをしたいと言ってたろ?」

「でも、食べ物のほうがいい」

色気より食い気か・・・


まだまだ、結婚を考えるのは早いらしい。


出雲そばの店に入り、かすみはたらふく食べていた。

2200年も、炭水化物はあるようだが・・・


かすみは、店内飾ってある、有名人のサイン色紙を見てた。

「お兄ちゃん、この壁に飾ってあるもの何?」

「サイン色紙だよ」

「サイン色紙?」

「うん、有名人が自分の名前を崩して書くんだ」

「何のために?」

それは、僕も知らない。


いつごろからあるんだろう。

この習慣・・・


ちなみに、この店もただ。

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