第16話 夏までは

「まーくんの事は、何でもわかるんだよ」

「僕の子孫だからか?」

「違うよ。こうして生活していると、わかってくるよ。それに・・・」

「それに?」

「まーくんの、絵を見れば」

絵は個性が出る。

いい意味でも、悪い意味でも・・・


それが、わかる人にはわかるらしい・・・


僕が何より欲しくて、必要だったプレゼント。

それは、画材でも画集でもない。


オルゴールだった。

癒しのオルゴール。


かすみは、知っていてくれたんだ。


翌日になり、新たな1日が始まる。

「まーくん、今日もがんばろうね」

「うん」

完全に馴染んでしまった。


でも、かすみは子孫。

一緒にはなれないが、今は楽しもう。


だが、イラストばかり描いてはいられない。

そろそろテスト勉強をしないといけない。

卒業できないと、元も子もない。


「まーくん、テスト勉強」

「うん」

「もうじき、6月だね」

「うん」

「私たちの時代だと、6月からなんだけど、この時代はまだなんだね」

「6月から、夏休み?早いね」

「でも、8月から2学期だよ」

一か月前後している。


「夏休みになったら、まーくんにはしてもらうことがあるからね」

「してもらうこと?」

「夏休みに入れば話すから、それまでは、普通に生活しててね」

「うん」


なんだろう?気になる・・・

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