第14話 日常

両親に断った後、かすみの言うとおり、

それまで通りの生活をしている。


朝起きて、顔を洗い、朝食を食べる。

そして、学校へ行き、従業をうけ、昼飯を食べ、午後の授業を受ける。

そして、帰宅する。


帰って、絵の練習をし、晩飯を食べて風呂に入り、また絵を描いて、12時に寝る。

そのパターンとなった。


身の回りの世話は、情けないがかすみがしてくれる。

「私は、お姉さんだからね」

居候だからとは言えないようだが、この時代の食事も覚えたようだ。


ただ気になる。

服はいつも同じだ。

さすがに、年頃の女の子は、まずいだろう。

おしゃれのひとつもしたい。


思い切って訊いてみた。

「ありがとう。まーくん、でも平気だよ」

「えっ?」

「実は、同じデザインの服をたくさん持っているんだ。

素材が違うから、この時代の洗濯機には合わないけど、自然に汚れが落ちるから平気」

「あっ、そう」


でも、お風呂だけは必要のようで、僕は学校へ行ってる間に入っているらしい。


学校へ行っている間に、何かしているようだが、それはタブーとなった。


「高校卒業後に何かが変わる」

それを信じて、今は生活している。


「何気ない日常が幸せ」

後にそれを、身を持って知ることになる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る