第12話 行動までの、下準備
「それから、いよいよ何だけど」
「うん」
「私の時代からみた、本来の歴史では、君は学校を中退します」
「どうして?」
「今、まーくんのご両親は転勤してるよね?」
「ああ」
「来月、『事業を起こしたので手伝ってくれ』と、手紙が届きます」
学歴重視のこの時代には、珍しいかもしれない。
「うん」
「そこで、歴史を変えるために、まずそれを拒み、高校を卒業してもらいます。」
「高校卒業後は?」
「まーくんは、イラストレーター志望だよね?」
「まあ、一応・・・」
「本来の歴史だと、先の理由で断念してしまうの」
残念だ。
「そこで、君には何としてもイラストレーターになってもらうわ」
「でも、そう簡単になれるもんじゃ」
そう、絵描きになれるのは、プロ野球選手になるよりも、大変だ。
プロ野球選手を、なめているわけではないが・・・
「でも、かすみはそれまでどうするの?」
「私?私は君の面倒をみるわ。つまりメイドね」
「大丈夫?」
「うん。私は本来の時間帯までは、歳は取らないから」
「それが・・・」
「うん、4つ目の力」
歳を取らない。羨ましいような、気の毒なような・・・
「もちろん、君が結婚しても、違う形でサポートするからね」
かすみの言った通り、一ヶ月後、両親から手紙を届いた。
「事業を起こしたから、手伝え。学校止めて来い」と・・・
俺は断りの手紙を出した。
その後も手紙や電話があったが、全て断った。
「学費は見ない」と言われたが・・・
学費は子孫の方が出してくれて、高校は通う事が出来た。
ちなみに、両親の転勤先は、ニューヨーク。
拒んだと思う。
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