第11話 行動開始

「さっそくだけどね、まーくん」

「はい」

「この間、私の2200年の世界を見たよね」

「うん、文字通りの水だけの惑星だった」

「そこで、そんな悲惨な未来は変えたいと思う」

「はい」

「初めに、どういうルートになれば、あのような状態になるかを、説明するね」

20××年から2100年の歴史ってことか・・・


「この時代にも、戦争や核実験や、自然破壊などが多発しるね」

「ああ、嘆かわしい」

「さすがの地球もお怒りだとは、君も思っているね」

「うん」

「すでに、北極や南極の氷は溶け始めています。それは知ってるね」

「うん」

「でも、すぐに氷山の一角では済まされなくなります」

「それは、いつごろ?」

「必要なのでばらすけど、2070年ごろには深刻になるね」

2070年、生きているか微妙だ・・・


「もし、僕が死んだら、どうなるの?」

「それは、君の子孫に引き継いでもらいます」

「子孫に?」

「今、君は嫌がってるけど、そう遠くないうちに結婚します」

いや、それだけは、ありえないと思う。


「もちろん、この時代から進んで行った場合の未来を変えるわけだから、

結婚は、君の自由だけど、私としては、結婚してほしい」

「どうして?」

「そうしてもらえれば、私は違う形で生まれてくることができる。

この時代の未来に生まれてくる私にも、幸せになってほしい・・・」


「かすみ」

「何?」

「なら教えてよ。どういうルートをたどれば、君のいた2200年になるのか?」

それを知らないと、対策の仕様がない。


「本来なら、未来は知らないほうがいいんだけど、場合が場合なので、教えておくね」

「わかった」

「まーくん、おでこを出して」

「わかった」

言われるままに、おでこをだす。

かすみは、手を当ててきた。


何かが滝のように頭になだれこんでくる。

そうか、これがあの、2200年の世界への、ルートなのか・・・


「わかった?」

「ああ」

「これは、4つ目の力?」

「ううん、3つ目と同じだよ」


「リニア・モーターカーは、結局開業しなかったんだね」

「うん、鉄道時代、博物館にしかないよ」

少し凹む。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る