第10話 文明
「まーくん、質問なんだけど」
調理中の、かすみに声をかけられた。
「もう、この時代から、オール電化ってあるんだね」
「かすみの時代も、オール電化なのか?」
「ううん、もっと進化してるよ
科学は進歩する。
どんなふうに進歩しているのか、見ておけばよかった。
「ねえ、まーくん」
「どうした?」
「ガスって、何?」
「ガス?」
「うん、教えて」
わかる範囲の事を教えた。
僕にはガスの事は詳しくないので、さっきはガスという存在しか、認識できなかったようだ。
「そっか、危険なんだね」
「うん、だからうちはオール電化にしたんだ」
「じゃあ、料理するから待っててね」
「ところで、かすみの時代は・・・」
「うん」
「食材を機械に入れて、はい出来あがりてことはないよな」
「バカにしないで。私たちの時代も普通に料理するよ」
「本当に?」
「でないと、退化する一方だから・・・」
考えられているんだね。
ふとおもった。
女はいくつもの顔を持っているが、それは永遠に変わらないようだ。
「まーくん、お待たせ」
「何が出来たの?」
「見てのお楽しみ」
食卓をみる。
物の見事に魚介類。
「海老フライは、あるんだね」
「うん、私たちの時代では、一番のごちそうだよ」
牛肉や鶏肉が存在しないんじゃそうなるか・・・
「僕の時代は、ステーキや焼き肉、とんかつがごちそうだ」
そうは、言えなかった。
「ところで、かすみの時代に寿司はあるのか?」
「あるよ。普段食」
「普段食?」
「この時代だと、おむすび感覚になってるよ」
【食文化、どうかわるかは 人次第】
「座布団没収だね」
「笑点は、続いているのか・・・」
「うん、人気番組だよ」
「誰が出てるの?」
「言っても、わからないでしょ」
確かに・・・
「まーくん、明日から始めるからね」
「何を」
「だから、未来を変えること」
「もう?」
「早い方がいいでしょ?」
「でも、どうやって?」
「それは、明日考えましょ、さあ食べて」
魚介類にとらわれて気がつかなかったが、野菜や果物もある。
これは、変わっていないみたいで安心した・・・
普通に盛り付けられている。
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