第9話 お食事
「じゃあ、まーくん、食材買ってくるね」
「食材って、わかるのか?」
「さっき、まーくんから教わったよ」
そっか、それなら安心。
かすみの時代と今とでは、食材が違うと思う。
カルチャーショックを受けなければいいが・・・
「まーくん、まーくん」
やはり駆け込んできた。
「牛肉って何?豚肉って何?鶏肉って何?」
「何ってまんまだけど」
「この時代では、牛や豚や鶏を食べるの?」
「食べるけど」
宗教によっては、食べないところもあるが・・・
「かすみの時代では食べないの?」
「食べないよ。ていうか、私の時代では牛も豚も鶏も、絶滅してるよ」
「いつ?」
「知らないよ。私が生まれた時には、そうなってた」
僕の時代にも、昔は普通に食べられていたものが、今では食べられなくなっているのがある。
かすみの時代も、そうだということか?
「かすみの時代では、何を食べてるんだ?まさか宇宙食?」
「バカにしないで。普通の食べてるよ」
「何を?」
「野菜と果物と、魚介類」
確かに海の中なら、魚介類には不自由しないな。
野菜や果物は、今の時代でも年中食えるが、かすみの時代でも対して変わっていないんだろう・・・
「で、かすみ、牛や豚や鶏を食べてみる?」
「いい、怖くて食べられない」
「じゃあ、今夜は何を作るんだ?」
「私に作らせるの?」
「作ってくれないの?」
「そのつもりだったけど、私怒った」
何をだよ・・・
「作ってほしければ」
「欲しければ?」
「私のかわいいところを、5つあげなさい」
「二重瞼、高い花、小さめの口、ポニーテール、時々でるわがまま」
「即答だね」
「まあな」
「合格、作ってあげる」
こうして料理を作ってくれることになった。
この時代の調理器具の使い方は覚えたろうから心配ないが、
何ができるのか楽しみだ。
ちなみに、かすみが電話でなく駆け込んできたのは、
俺がスマホを持っていないため。
固定電話の番号は、まだ教えていないため。
もっとも、かすみの時代には、スマホがなくても連絡が取り合えるらしいが・・・
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