第8話 お金

「まーくん」

予想通りに駆け込んできた。

「このお金、使えないよ。どうなってるの?」

「そりゃ、未来のお金は使えないよ」

「そんな事ないもん。お父さんが昔のお金を送ってくれたもん。

ウソだと思うなら見てよ」

未来の世界でも、旧紙幣は売っていると思う。

おそらく、それが送られて来たのだろう。


「かすみの時代では、お金はないのか?」

「私の時代は、全部カードだよ。お金はコレクションとして使われてるの」

「そうなんだ」

「そんなことより、まーくん、お金が使えないはずないのに、この時代は・・・」

紙幣、そして硬貨を見てみた。


「あの・・・かすみさん」

「何よ、まーくん」

いつになく怒っている。


「今いる時代の年号は平成でして、まだこの年号ではありません。」

初めて見る年号だ。

何代後なんだ?


「次に紙幣ですが・・・」

「うん」

「この肖像画の紙幣は、この時代にはありません。

なので、使えなくて当たり前です」

「ほんと?」

「はい」

「お父さんに確かめてみる」

電話をしているようだ。

未来へとつながるのか?

不思議な世界だ・・・


「まーくん、ごめん。お父さんが送り間違えたって、

すぐに、20××年に使用されていたお金を転送するって」

すぐに転送されてきた。

足りなくなれば、すぐに転送するそうだ。


さっき、「この時代にはお金が必要」という認識は読みとったようだが、年号や肖像画までは、認識しなかったようだ。


ちなみに、さっき見た肖像画は、1万円札が手塚治虫で、5千円札が平塚らいてう、1千円札が吉田茂・・・

基準がわからん・・・


いつの時代からかわからんが、歴史を変えるのが目的。

これも、変わるかもしれん。


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