第7話 この時代で・・・

「まーくん」

「どうした?かすみ」

「自然の空気って、こんなに美味しかったんだね」

そっか、かすみは初めてなんだ。


僕にとっては当たり前でも、他の人にとっては珍しい事もあるんだ。

改めて知った。


僕の知識、この時代の常識を、さっきかすみは読み取った。

これで、この時代になじめると言っていたが・・・

そう、上手くいくか不安になる。


しばらくすると、僕の家に着いた。

「お邪魔します」

「自分の家だと思ってくれていいよ」

「ありがとう、まーくん」

僕の家にあるものは、かすみの家にあったものとは、かなり違う。

戸惑いはないのか?


「あっ、忘れてた」

「どうしたの?まーくん」

「かすみの生活用具」

「大丈夫、もうじき届くから」

「えっ」

しばらくすると、突然かすみの生活用具が現れた。


「これは?」

「お父さんが送ってくれたの」

「かすみの力?」

「これは、お父さんの力だよ」

そっか・・・こういうのもあるのか・・・


「たしか一部屋空いていたよね?そこ貸してね」

「いいけど・・・」

「ご両親は転勤で、半年ほど帰って来ないんだよね」

「調べたの?」

「うん」

荷物の山を見る。

とても多い。どうしよう・・・


「大丈夫だよ」

「えっ?」

「頑丈だけど、軽い材質だから、非力なまーくんでも持てるよ」

「余計なお世話だ」

「でも、私は優しい人が好きだな」

ドッキとしたが、かすみは子孫だ・・・

言わば、肉親。


「じゃあ、運んでおいてね、まーくん」

「かすみはどうする?」

「散歩してくる」

「大丈夫?」

「うん、さっきこの時代の常識は入手したから」

そうして、出かけて行った。


「買い物はどうするんだ?」


僕の家についた。

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