第12話

 草原での野外活動を始めてからリアルでの昼休憩を入れて、ウォレスでは2日が経過した。そんな二日目の夜、僕はひたすらの腹筋と腕立てとスクワットをステータス画面を見ながら行う。これもスキル上げの方法、取得できるスキルの名前は「筋肉」である、このゲームは直接的な表現を好む、まぁわかりやすいのはいいものだ。


 しかしまぁ魔法を使う僕には似ても似つかないスキル名だとは思うが、上げれば不要とはならないだろう。よもやこんな単純な方法と言うか、いやまぁ確かにリアルも筋トレすれば体は強くなるが。ゲームですることになるとはと思ってしまう。更に筋トレを数セット行った後は目を瞑り深呼吸をして息を整える、これはスキル「瞑想」というのが上がる。


 夜はひたすらこれらを交互に行ったり鍵付き収納箱を開けては閉めるのいずれかという地味な作業とも言える行動を繰り返す。そして、これらを行って夜も完全に更けた所でテントの中で睡眠をとり、早朝に目を覚ますのだ。


 早朝は深夜に減った空腹度を満たすために牛丼を頬張りながら簡易テーブルに広げた地図を眺める。あれから、草原をまっすぐ進むだけでなく、池を中心に進路を四方八方に広げて探索をしてみた。そのかいあって、草原の地図はほぼほぼ埋まりかけてきている。どうやらこの池以外にも小規模の池が点在しているようだ、一番大きいのはこの池だが。そして一番の目玉は街から池そして池を超えてまっすぐ進むと森が見えたのである。


 と言っても、ギリギリ肉眼で確認できた程度で規模がどれほどかは分からない。

これを踏まえて新たに探索計画を立てるとする、今日は夕方まで周辺の魔物を倒すのと池でヤゴやオタマジャクシの観察だ。これもスキル上げの一環である、まず魔物の撃破だが、ここにきて風魔法の伸びが遅くなった、いや止まってしまった。


 おそらく相手のスキルと風魔法のスキルが大幅な差があるからだと思う。

だが、風魔法のスキルが上がらなくても別のスキルを上げるために戦う必要がある

それが「隠密」スキルだ草の長い場所に隠れて風魔法を撃っていたため身に着けれたこれを駆使すれば狼の多くをよけて森に行くことも叶うだろう。


 そして、昼の小休憩にヤゴやオタマジャクシを捕まえて水槽で観察したりノートにスケッチしているとスキルが手に入った。それが「観察」スキルと「写生」スキルの二つだ、特に観察は非常に便利で相手のHPを確認できるのだ。


 まあ相手の持ってる一番高いスキルを僕の持ついずれかのスキルが超えてる必要があるのだが、今の所風魔法が超えているので、大丈夫だ「写生」スキルについてはまったくもって用途が不明、せいぜい、ヤゴやオタマジャクシの絵がうまくなった気がする程度だ。それでもステータスにいくらかの補正が入るならば伸ばして損はないはずだ。牛丼も食べ終わり、さっそく出発、今日も頑張ろう!





 夕飯と風呂を済ませた後にまたゲームを起動、今日はもう少し、と言っても探索計画を立てるだけで、すぐ寝ることにする。地図を見る限り、森までは予想では順調にいけば1日もあれば到着可能かな? これはあくまで予想、実際には狼が出現する地域を通る、隠密で隠れれば避けれるかもしれないが、最悪を考えて狼との闘いを想定するべきだ。風魔法の成長が止まった時に多くの新しい魔法を取得している、使ってみたがその中の一つであればたとえ囲まれても対応できるはずだと思う。


 牛丼の残りはどうだろうか? 確認をしてみる。1日ならば持ちそうかな。状況を確認して考え予定を組みなおす、明日はもう1日だけ草原でのスキル上げをしてからテントを撤去して街へ帰還。アイテムは今回の訓練で沢山手に入ったのでそれを売却して牛丼を買い足す。その後はもう一日草原での訓練をして、池まで戻りテントを一時的に再設置して夜を過ごす。翌日にテントを片付けて、森へ出発、森の手前についたらテントを設置してその日は終了。


 春休みも残すこと、今日が終われば6日、明日の行軍を計算に入れなければ5日だこの5日で森への行軍および探索を行うとしよう。どうやら幸運の鼬は僕を導いてくれてるみたいだと、自然と笑みが零れてしまいそうだ。っさ、明日から忙しくなる、そうと決まれば一度ログアウトして十分に睡眠をとることにする。

 僕はその日はログアウト、すぐに眠りにつくのだった。

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