愛に嗤え

くるりと返した掌の上

危険な香りを振り撒いている

甘い囁きに とっ散らかった髪

くしゃくしゃの笑顔に魅せられて


ぽかりと空いた心の隙間

ここらじゃあまりに不用心すぎる

そう思ったのも もう後の祭り

行きずりのあなたに堕とされる


身体を焦がす想いを胸に抱いたなら

見透かされているとも知らないで


私の恋も あなたの愛も 嘘に溶けるのなら

滑稽な冗談わらいばなし

いつか巡り巡って

真実ほんとうになったって良いだろう

ベイビー どうか抱き締めて

今夜だけ醒めない魔法を掛けて

廻る舞台に出番の合図なら1 2 3 4


浮かぶ満月はいびつに欠けた

私は飼い慣らされてしまった

拍手ひとつで自由も自在に

白は黒へと翻った


語るに落ちた シーツの隙間

知らないあの娘の赤茶けた髪

博愛主義者だとスッカラカンの嘘

それさえも許してあげたくなる


あなたが委ねた身体の 輪郭をなぞったなら

その傷は私だけが知っている


高鳴る恋も 煌めく愛も 涙で濡らしたなら

濁り曇った空も ふたつに裂けて

笑顔が咲いたって良いだろう

ベイビーどうか抱き留めて

永遠を騙る気障きざな言葉で

移ろう景色に不埒ふらちな足取りで1 2 3 4


私が吐き出した煙草が 燃え滓に変わる前に

今あなたとひとつに混ざっていく


私の恋も あなたの愛も 嘘に溶けるのなら

滑稽な冗談わらいばなし

いつか巡り巡って

真実ほんとうになったって良いだろう

ベイビー これでお終いね

もう二度とほどけない深紅の糸で

廻る世界に終演の合図は7 8 9 0

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