パブリックエネミー

透明な水晶で 僕の心の奥見透かして

奪ってほしいの

精神に刻まれた 背徳のスティグマ

疼き出す僕の本性

呑み込まれてしまう前に


前後左右 取り囲む 不可視の神々が

僕を怒鳴りつけて

弁解むなしく きっと 僕に下るのは有罪判決

前後不覚 蘇る

突き刺さる視線と爛れた傷口の

鈍く消えない痛みは

どんな薬でも癒やせはしない


ただ蹲って また行き詰まって

紫煙の中に思考を溶かして

輪郭すら見えなくなって

理性なんてボタンひとつで 狂ってしまうよ


透明な感覚で 僕の喉を深く突き刺して

迸る鮮血を掬って

混迷に囚われた 曖昧なIもmeもその愛も

紅で塗潰してしまえばいい


歪んだ世界を呪って 雨音ノイズ 耳を塞いで

くたびれた明日の位相ずらして

ホワイトアウト ゼロに消し去った

前後不覚 蘇る 錆び付いた記憶と抉れた関係の

平行線を結ぶ点は

どんな天才も見つけられない


ただ蹲って また行き詰まって

心証は不可逆に捻じ切れて

前提もろとも崩れ去って

犠牲なんてボタンひとつで 幾千を超えた


透明な水晶で 僕の心の奥見透かして

奪ってほしいの

精神に刻まれた 背徳のスティグマ

疼き出す僕の本性

衝動が鋭くスパークして


聡明な感覚で 僕が犯した罪業を裁いて

最期にひとつだけ

透明になんてなれやしない

曖昧なIとmeとその愛を

僕の心の臓に刻み付けて

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る